【演劇】ケラ版『どん底』を観劇したよ!(ロバート・コペンハーゲン)2008.04.14 12:38

Bunkamuraシアターコクーンで上演中のケラリーノ・サンドロヴィッチ版『どん底』を観劇。
途中15分の休憩を挟んで3時間超、いつも通りの長尺。
でも、今回の劇の場合、3時間超でなければならない理由がそんなにない気もしたりしなかったり。
というのも、一幕では貧民窟に暮らす人々の人間関係が淡々と描かれるのだが、これがなかなか退屈で、随所に挟み込まれる笑いもあんまりピンと来なくて、率直にいって冗長に感じてしまったからなのだけど、二幕の怒涛の展開を考えると、その冗長さは後に起こる出来事を際立たせる上でなくてはならないものであるような気もして、どうにもこうにも判断しかねるのだ。
っていうか、原作の戯曲も読んでいないのに「判断しかねる」もなにもない……とか書きつつも、「一幕はやっぱりどう考えても長すぎるよなぁ」と思わずにはいられない自分がここにいることは紛れもない事実なのだ!

それはさておき、マギーの演技がいい。
サブキャラクターでありながら、全体の要となるような存在感を醸し出していて、地味だけどすごくよかった。
すごくよかったというと、二幕に入った後の地上のセットとそこでの一連の出来事。
どこでもない場所のどこでもなさが粘土細工チックな造形によって引き立ち、その上で動き回る大勢の人物の光景は普遍的な悲劇のサンプルとして観客に「観察」されうるものに変質していたのではなかろうか。
そして、その「観劇」から「観察」への変化に異様さを感じる中で訪れる、圧倒的なカタルシス。
ちょっと自分でもなにを書いてるのかわからない部分があるけれど、なにはなくともこの部分には戦慄した。
劇全体を通して見ても、ここが絶対ハイライトなわけだし!

とまあ、そんなわけで、とりあえず戯曲は読んでみようと思った。
ケラ版との相違点を見出して、いろいろ思いを巡らせてみるのも楽しそうだし。
あと、黒澤版の『どん底』も。
帰りにTSUTAYA(半額レンタル実施中)に寄って見てみたらすでに誰かに借りられていて、結局『不思議惑星 キン・ザ・ザ』と鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』を借りた。
このチョイスに特に意味はない!