映画『大日本人』について!(ロバート・コペンハーゲン)2007.06.03 18:19

くっだらねえ映画です。どれだけお金がかかって、どれだけたくさんの人の思惑が絡んでいるかなんて僕の知るところではありません。でも、場末の映画館でレイトショーくらいがちょうどいい、本来なら知る人ぞ知る「カルトムービー」として愛され続けるべきこの映画が、実力以上に持ち上げられている現状。それは作品そのものにとって、とても不幸なことだと僕ははっきり断言できます。

さて、ダウンタウン・松本人志さんの初監督映画『大日本人』を早速観てきました。高圧電流を浴びると巨大化する一族の末裔である6代目・大佐藤は、人々からのバッシングや中継番組の視聴率低迷、認知症の4代目の世話などに日々頭を悩ませながらも、次々と出現する怪獣と戦い、日本の平和を守ってゆく……そんな奇抜なストーリーが特に大きな展開もないまま淡々と続くこの映画、ゲラゲラと声を上げて笑うような代物では決してありません。かといって、クスクス笑いもそれほど多いわけではありません。「ここはまだ我慢、我慢…」と待った挙句に「そういうところをついてくるか!」という尖った笑いをぶつけられ続けるのは、正直言ってなかなかしんどいです。映画は2時間あるのだから、その辺を考慮して笑いを組み立てるべきではないのか、と不平を言いたくなるのもごく当たり前な反応な気がしています。

ドキュメンタリー番組の撮影の過程として描かれているがゆえに長回しが多用されるので(カット割りの技術のなさに対する「逃げ」な気も…)ほとんど全編通して退屈な印象を受けますし、CGを駆使して作られた怪獣との戦闘シーンも正直「プレステ3」並みで(「プレステ3」で遊んだことないけど…)映画としては見栄えがしません。小道具や壁の落書きなどの細かい部分はものすごく凝っていて楽しいのですが、映画の中でそれが充分に生かされているとは思えませんし、アメリカや北朝鮮との関係を示唆するような場面があるにも関わらず、それが深い知見に裏づけされたネタとして昇華できているかというと、全然そうでもありません。

しかし、そんなことはどうでもいいのです。「散々批判しておきながらいきなりなんだよ!?」って話ですが、そんなことは本当にどうでもいいことなのです。僕は絶賛したい。(もちろん悪い意味で)心底くだらない映画『大日本人』を、いい意味でくだらない映画として大絶賛してみたい。そんな風に僕は今思っています。

というわけで、6月5日(火)に更新される連載コラム「毒とユーモアとぼく」にご注目ください。次回のコラム、実はまだ一文字も書いちゃいませんが、僕は『大日本人』をある側面から大絶賛してみます。成功するか失敗するか、全く予想もつきません。でも、やってみます。

あ、ちなみにこの映画、DVDで観るんじゃ何も意味がありません。上映前の期待に満ち溢れた雰囲気と、上映後の「……」な雰囲気。それを味わってこその『大日本人』です。ぜひ劇場で目撃してください。そして、その時は僕のことを恨んだりしないでください。それだけはお願いです。