ライター:チンタ=ポンタ
あえて、誰でも知ってるようなことを紹介したい。でも、誰にも知られずに終わって しまう可哀想なものも紹介してあげたい。だから、目にとまったものを適当に紹介し ます。

第23回 ゲーム脳を紹介します。


ゲーム脳というのは日本大学文理学部体育学科教授の森昭雄氏が2002年に出版した著書『ゲーム脳の恐怖』において提示した造語である。
氏が自ら開発した測定器で脳波を調べる実験を行ったところ、ゲーム中は前頭前野の働きが低下するという結果にいたった。
脳波を測定するとα波とβ波があるが、ゲームをしているとβ波がα波に近くなるらしい。
これが老人性痴呆症の波形に似ているらしく、この状態が脳細胞を使わない機能不全状態であるといい、「ゲーム脳」と名づけたのである。
ゲーム脳型の人間になると大脳皮質の前頭前野の活動レベルが低下し、この部位が司る意欲や情動の抑制の機能が働かなくなり、思考活動が衰えてしまう。
このせいでキレやすくなり、ひいては凶悪な犯罪を引き起こすようになるらしい。
その他様々な社会問題の原因はゲーム脳のせいである。
と、ここまでゲーム脳の仮説は発展している。

この主張をマスコミが大きく報道したために、「ゲーム=悪」という認識をもつ人々がこの世に誕生してしまった。
しかし、ゲーム脳の主張は科学的正当性や根拠に多くの疑問を残している。
それは、森氏がゲームについての知識をほとんど持ち合わせていないことや、脳波計が自身の開発したものであったり、被験者の数が統計学的に信頼できる人数でなかったり、α波やβ波についてのデータの読み方が恣意的であったり、矛盾があったりと、もうよく分からないや。

今ではほとんど支持されていないゲーム脳の仮説。
都合の悪いことをすべてゲームのせいにしたい人達に圧倒的に支持されていたのに。
そのせいで、うやむやになって原因解明が先送りにされた問題がいくつあったろうか。
それでも、ゲームが悪いとテレビで叫ぶコメンテーターを最近でも見かける気がする。
ちょっと微笑ましいと思ってしまう。
そんな私はゲーマーである。

以上。