ライター:チンタ=ポンタ
あえて、誰でも知ってるようなことを紹介したい。でも、誰にも知られずに終わって しまう可哀想なものも紹介してあげたい。だから、目にとまったものを適当に紹介し ます。

第19回 インコを紹介します。 


外は雨か。
いつもならカーテンの隙間から差し込む日の光が私をやさしく起こしてくれるのだが、今朝はそれがない。

目覚まし代わりにセットしておいた携帯電話が唸る。
日頃あまり活躍できない鬱憤を晴らすかのように。
あるいは、そのことで悩んでいたのかもしれない。
携帯として輝けない自分。
他の携帯と自分とを比較し、その差を思い知り、自分に絶望する。
せっかく携帯としてこの世に生を受けたのに、こんなはずでは……。
焦りから思い詰め、時に自分を呪ったであろう。
携帯よ、なぜに自分を責めるか。
オマエはちっとも悪くない。
悪いのはオマエの持ち主よ。

それでも携帯は唸り続ける。
走り出した感情を抑えきれないのか。
否。
機械だからだ。
そりゃ、ほっときゃいつかは止まるのだが、いい加減、目が覚めてきた。

気持ちの悪い振動を私は止める。
いつもと違う朝。
いつもならこの瞬間はたまらなく2度寝したくなるのだが、やはり今日も例外ではない。
外が仄暗い分よけいに眠い。
だがここで寝てしまっては、1日の半分が潰れるパターンに直行である。

私が特に予定のない日に睡魔に勝てる確率は40パーセントくらいだ。
今日のコンディションから言うと、おそらく負ける。
こんなときは、よくわけの解からないことを考えてしまう。
とにかく、何か考えて、意識がとばない様に頑張る。
体を起こせば勝てる。
そんなことは知っている。
だが、私はこの睡魔との精神的な戦いに水を注すようなことはしたくない。
とかなんとか、意味不明の言い訳をして、楽な姿勢をキープする。
だから、負けてしまうのだ。

でも、今日は負けない。
ああ、意識がとぶ。
駄目か、駄目なのか。

……ん?
そういえば、音が無い。
外は雨のはずだ。
なぜ、何も聞こえてこないのだろう。

私は窓を開けた。
ひんやりとした空気と共に、雨音が飛び込んできた。
それと少し体を動かしたからであろうか、急に頭が冴えてきた。
やっぱり、雨か。

起きたはいいが、することがない。
やっぱり、寝よう。
いや、もう無理だ。
こうなったら、絶対に寝られないレベルまで頭が冴えきっている。
しかたがない、何か思索に耽ろう。

「おしゃべりなインコと無口な人間のどちらがより多くの言葉を発するか。」
どうやって比べよう?
どの時点でどれくらいの期間だとフェアな比較が成り立つのだろう?
誰がこんなこと望むのだろう?
こんなことに時間を使うくらいなら、寝ていたほうがましだ。

ちなみに、オウム目インコ科のヨウムで、すごいヤツは1000語近い語彙を正しい文脈で使いこなすらしい。
こいつはすごいや。

以上。