ライター:ロバート・コペンハーゲン
毒にも薬にもならないけれど、読んでみるとなぜだか平常心が保てない、そんな詩とも小説ともコントとも区別がつかない「二度寝してもう少し見ていたい悪夢」のような文章を、毎週懲りずに連載していきます。
第40回 ぼくのお尻はめちゃくちゃ汚い


長時間イスに腰掛けていると、お尻におできができる。
この体質をどうにかしたいと思い始めて、早10年。
あえて書く必要もないのだが、この際書いてしまおう。

僕のお尻はめちゃくちゃ汚い。

この10年間、僕がお尻にできたおできに悩まされない日はなかった。
右サイドのお尻におできができれば、当然左サイドのお尻に体重をかけてイスに座らざるをえなくなる。
すると、おできが完治する頃には、それまで右サイドのお尻を庇う形で酷使していた左サイドのお尻にまた新しいおできができる。
その繰り返しだ。

春が過ぎれば、夏がやってくる。
夏が過ぎれば、秋がやってくる。
秋が過ぎれば、冬がやってくる。
冬が過ぎれば、春がやってくる。

キリがない。
暑くもなく寒くもなく、公園を散歩するのにちょうどいい時期なんて、あっと言う間に過ぎていくものなのだ。
僕はお尻の左右どちらか半分に、常におできを患っている。
痛みが治まる時期なんて、ほんの短い間だけだ。
おできはすぐに熱を持ち始め、パンパンに腫れてしまう。
僕は左右どちらかのお尻を、周囲の人に気づかれない程度に浮かせながら、イスに腰掛ける。
もちろんその姿勢は、すかしっ屁の前兆などでは決してないので、気づかれてしまったとしても僕は全く臆する必要などない。
ただお尻の片側を浮かせたまま、時が過ぎゆくのをじっと待つだけだ。
休み時間には堂々と起立すればいい。

とにかく、次々と生まれては消えるおできのせいで、僕のお尻はめちゃくちゃ汚い。
だから、ふんどしとかTバックとか、そんなものは絶対に穿きたくない。
お尻が綺麗だったら穿いてもいいのかというと、そういうわけでもない。
特にTバックは、絶対に穿きたくない。
穿きたくないったら穿きたくない。
Tバックなんて一生穿きたくない。
一生穿かなくたって、僕は絶対に後悔しない。
っていうか、Tバックなんて見たくもない。
Tバックを穿いている人だって、僕は一生見たくない。
どれだけお尻が綺麗だろうが、どれだけその姿がセクシーだろうが、僕はTバックに関しては五感の全てを一切シャットアウトする。
Tバックを前にした僕はもはや屍同然である。
なんらかの試合で僕を倒したければ、Tバックを穿いてくればいいじゃないか。
Tバックを穿いてきた時点で、キミの勝利は確定する。
簡単なことじゃないか。

ここでひとつ断っておくが、これは「まんじゅうこわい」の類の話では決してない。
僕は本気でTバックを穿きたくないし、見たくもない。
もちろんTシャツは着る。
Tシャツは着たいし、おもしろいデザインのTシャツはむしろ積極的に集めていきたい。
しかし、Tバックは集めたくない。
Tバックなんて絶対に集めたくないし、集めている人とは口も利きたくない。
Tバックを集めている人とは友達になれない。
もし友達がTバックを集めていることがわかったら、僕はなんの躊躇いもなくその友達と絶交するし、絶交した後は差別すらする。
Tバックの臭いを嗅ぎつけたら最後、普段の紳士的な態度とは打って変わり、僕は極悪非道の男になる。
僕はTバックを集めている人にはめっぽう厳しい。
いや、厳しいなんてもんじゃない。
鬼だ。
Tバックの鬼だ。
僕はTバックの鬼なのだ。


文句あるかっ!!!


第40回 ぼくのお尻はめちゃくちゃ汚い 終