ライター:ロバート・コペンハーゲン
毒にも薬にもならないけれど、読んでみるとなぜだか平常心が保てない、そんな詩とも小説ともコントとも区別がつかない「二度寝してもう少し見ていたい悪夢」のような文章を、毎週懲りずに連載していきます。

第29回 ぼくの謝罪文


待ち合わせの時間に家を出る、なんてことが日常茶飯事な僕は、きっと(いや、絶対)人として相当ダメなんだと思う。
毎度毎度人を待たせてしまって、もちろん「悪いなぁ、申し訳ないなぁ」とは思うんだけど、かといってその気持ちが次の機会に反映されているかというと、全然そうでもなかったりする。
僕を待ってくれている誰かの優しさや忍耐力に甘えっぱなしなのはよくないと知りつつ、それでも僕は未だに懲りずにいる。
そんな人間は死んだ方がいい、とかなんとか言って「反省してるから、お願い許して!」みたいなマネをするのも結局は恥の上塗りに過ぎないし、第一この火曜日の連載コラムを水曜日に更新するのが今回で2回目だという事実は、どうしたって消えるものではない。

そこで、僕はこの機会に、僕が時間にルーズな理由を自分なりに考えてみたいと思う。
というわけで、早速考えてみよう。
僕が考えている間、読者のみなさんにはこちらのイラストでお楽しみいただきたい。


さて、僕が時間にルーズな理由として何より先に思い当たったのは、幼少期のトラウマである。
あの幼少期のトラウマが、僕を時間にルーズな人間にしている大きな原因のひとつであることはまず間違いない。
あの幼少期のトラウマさえなければ、僕はきっと今より15分は早く起きられるはずなのである。
しかし、僕の深層心理に巣食うあの幼少期のトラウマは、一朝一夕に取り除くことができるわけではない。
あの幼少期のトラウマの問題を解決するのには、どうやらまだまだ時間がかかりそうだ。

そんなわけで、僕はもう少し別の理由についても考えてみる。
僕が考えている間、読者のみなさんにはこちらのイラストでお楽しみいただきたい。


次に僕が時間にルーズな理由として思い当たったのは、決して幸福であったとは言えない僕の前世である。
あの決して幸福であったとは言えない僕の前世が、僕を時間にルーズな人間にしていることは火を見るよりも明らかだ。
あの決して幸福であったとは言えない前世の影響さえなければ、僕はきっと提出時間から逆算してギリギリに終わる時刻から大学のレポートに取り組むことなどないはずなのである。
しかし、前世は誰にも変えられない。
守護霊もまた同様である。
こんな守護霊さえ憑いていなければ、僕はきっと夕方4時過ぎに起きて「めざにゅ~」が終わってから寝る休日など過ごさないはずなのである。
日曜日の朝6時から始まる「渡辺篤史の建もの探訪」を観るために、土曜の夜は寝ない生活だって、もちろん送らないだろう。

そんなわけで、僕はもう少しだけ別の理由についても考えてみる。
僕が考えている間、読者のみなさんにはこちらのイラストでお楽しみいただきたい。


最後に僕が時間にルーズな理由として考えられるのは、遺伝子レベルの問題である。
ある遺伝子が何かの拍子でブッ壊れ、僕の時間に対する感覚を著しく狂わせた。
そして、僕は明らかに待ち合わせの時刻に間に合わないとわかっていながらコンビニでお茶を買うような人間に成り下がってしまったのだ。

幼少期のトラウマ、前世と守護霊、そして、原因不明の遺伝子の破損……それらの要因が複雑に絡み合い僕は時間にルーズな人間になった。
そう考えるとすべてがしっくりくる。
ただ、悪いタイムパトロールが僕の周りの時空をいたずらに歪めているという可能性も、あながち否定できない。
まだそれほど深い時間ではない夜に、「10分だけ寝て、それからコラムを書こう……」と目覚ましをセットして横になったのに、気がついたら「笑っていいとも!」が始まっていたという経験などは、タイムパトロールが一枚噛んでいると考えても何ら不自然ではない。
早急に悪いタイムパトロールを処分してもらいたいところである。


とか何とか言っておりますが、とにかく、ごめんなさい。
全部自分のせいですので、今後とも見捨てないでやってください。
では、来週こそ火曜日に!
ほんとに申し訳ない!

 
第29回 ぼくの謝罪文 終