
第6回 少年のフキダシにぼく ‐その2‐
前回のコラムの中で僕は、「名刺作り」を趣味としている人の中には3種類のタイプの人がいる、ということを書きました。
その3種類のタイプ、ここでちょっとおさらいしてみることにしましょう。
① 自分の名刺を作る人
② 他人の名刺を作る人
③ 名刺を作らない人
みなさんご存知の通り、僕は今現在、②のタイプの典型的な「他人の名刺を作る人」なわけですが、なにも「名刺作り」を始めた当初からずっと他人の名刺だけを作り続けてきたわけではありません。
もともと僕は、「名刺作り」を趣味とする人の中でも最もスタンダードな①のタイプの典型的な「自分の名刺を作る人」だったのです。
自分の名刺を作っていた頃の僕は、他人の名刺を作ることに対しての興味など微塵も持ってはいませんでしたし、むしろ他人の名刺を作るタイプの人たちのことを、恥ずかしながら、特に理由もなく軽蔑していたというのが正直なところです。
しかし、今僕は実際に、他人の名刺を作っています。
僕がかつて蔑み、忌み嫌っていた「他人の名刺を作る人」になったのには、もちろんそれなりのきっかけがありました。
僕が「他人の名刺を作る人」に転向することになったそれなりのきっかけは、「それなりの」とは言っても、ほんの些細な、取るに足らないようなことであって……それは僕が今コンタクトレンズを装着するのではなくて、あえてメガネをかけ続けることになったきっかけとも共通しているのですが、そんな話をして、読者のみなさんに共感してもらえるかどうかは、僕にはちょっとよくわかりません。
わかりませんが、共感してもらえなくたって、そんなことは一向に構いません。
だから、僕はとにかく、書いてみようと思います。
僕がメガネをかけ続けることになったきっかけと、僕が「他人の名刺を作る人」になったきっかけの話を。
***
視力が悪くなってきて、メガネをかけたりかけなかったりしていた高校生の頃の僕に、当時好きだった女の子がこう言いました。
「メガネの方が絶対いいよ!」
いや、あの、ただそれだけのことなのです、僕がメガネをかけ続けることになったきっかけなんて。
他人の名刺を作るようになったのも、似たようなことがきっかけです。
「うわー、この名刺自分でつくったの? 今度わたしのも作ってよ!」
「実際にヤマグチさんの名刺を作って学校に持っていったりするべきなんかじゃない、絶対!」と中学生の頃の自分に教えてあげることができたら……なんて、今でもふと考えてしまってなかなか寝つけない夜があります。
ちなみに、「そもそも学校で自作の名刺を配る俺って一体なんなんだ?」と考えてしまうと、急にあてもなく走り出したい衝動に駆られてどうにもできなくなってしまうので、なるべく考えないようにはしています。
とにかく僕が言いたいのは、今の自分を形作るあらゆることのきっかけは、ほとんどそんなもんなんじゃないかな、なんて思ったりすることがあるってことです。
なにげない誰かの一言がちょっとずつ誰かの生き方を方向づけているなんていうことに、普段は全然気づきません。
でも、あなたの発する一言が僕の生き方をちょっとずつ変えて、僕の発する一言があなたの生き方をちょっとずつ変えていくということ。
それは紛れもない事実で……うまく書けませんが、そんな程度のきっかけで、ほとんど節操なく変わり続けていくことって、僕はそんなに悪いことじゃないなって感じることがあるのです。
ただそれだけです。
***
そんなこんなで、今回も僕が作った赤の他人の名刺を次々と紹介していくことにしましょう。
今週は先週予告しておいた映画『ショーシャンクの空に』や『ミリオンダラー・ベイビー』でおなじみのこの人から、なんと怒涛の5連発(ちなみに今回のコラム、名刺を5連発紹介し終えると唐突に終わる構成になっています。あらかじめ心の準備をお願いします)。
それでは、いってみましょう。
ものすごい包容力です。
もう抱かれてもいいです。
いや、ダメです、絶対ダメです。
ものすごい包容力だからってカラダを許しちゃいけません。
そういえば、包容力ならこの人だって負けちゃいません。
とてもつよい横綱です。
不思議なくらいつよいです。
そのつよさの秘密を包み隠さず教えてほしいものです。
包み隠さず教えてほしいといったら、この人もぜひそうしてほしいものです。
実際どうなの?
いろいろな憶測は飛び交っていましたが、もしも本当にデスノートの原作者である大場つぐみが、『とっても!ラッキーマン』などのギャグ漫画でかつて人気を誇った彼なのだとしたら……。
これにはもう、「再チャレンジ」の持ちギャグでおなじみのあの人が黙っているわけがありません。
完全に前回からの使いまわしです。
失礼しました。
さあ、気を取り直して次の新しい名刺の紹介です。
……ん、あれ?
さあ?
さあ。
さあ。
さぁ。
さー。
サー。
サー。
サーッ!!!
第6回 少年のフキダシにぼく ‐その2‐ 終
| 第43回 | ぼくは鼻セレブで尻を拭く | 2008.03.24 |
| 第42回 | 小林秀雄とぼく | 2008.02.11 |
| 第41回 | 「お米は生きている」とぼく | 2007.12.21 |
| 第40回 | ぼくのお尻はめちゃくちゃ汚い | 2007.11.13 |
| 第39回 | ぼくのゲーム王国 | 2007.11.01 |
| 第38回 | ぼくの最強ドラムプレイ | 2007.10.24 |
| 第37回 | ぼく、サム・ペキンパーのなんなのさ | 2007.10.16 |
| 第36回 | こどもネット相談室Ⅰ | 2007.10.05 |
| 特別編 | THE CONTE MUST GO ON | 2007.09.15 |
| 第34回 | ぼくのなつやすみ | 2007.08.20 |
| 第33回 | ぼくのセカンドライフ漫遊記 | 2007.08.09 |
| 第32回 | 記憶と歴史とぼくのCD | 2007.08.01 |
| 第31回 | ぼくでやんす! | 2007.07.26 |
| 第30回 | ぼくのロックンロールスーサイド | 2007.07.17 |
| 第29回 | ぼくの謝罪文 | 2007.07.11 |
| 第28回 | あずきちゃんと勇之助くんとぼくⅡ | 2007.07.03 |
| 第27回 | あずきちゃんと勇之助くんとぼくⅠ | 2007.06.26 |
| 第26回 | 昔ぼくが作っていた壁新聞の話 | 2007.06.20 |
| 第25回 | ぼくのファッション通信 | 2007.06.12 |
| 第24回 | オレとぼくの暴力的映画批評Ⅵ | 2007.06.05 |
| 第23回 | オレとぼくの暴力的映画批評Ⅴ | 2007.05.29 |
| 第22回 | ぼくは味のしないガムを噛み続けた | 2007.05.22 |
| 第21回 | オレとぼくの暴力的映画批評Ⅳ | 2007.05.15 |
| 第20回 | オレとぼくの暴力的映画批評Ⅲ | 2007.05.08 |
| 第19回 | オレとぼくの暴力的映画批評Ⅱ | 2007.05.01 |
| 第18回 | オレとぼくの暴力的映画批評 | 2007.04.24 |
| 第17回 | ぼくのウンコ39連発 | 2007.04.17 |
| 第16回 | ぼくはフライングサーカスの遥か彼方 | 2007.04.10 |
| 第15回 | 京都・東京・名古屋・ぼく | 2007.04.03 |
| 第14回 | ぼくがウンコを流す前に | 2007.03.27 |
| 第13回 | ぼくはIQチャレンジャー | 2007.03.20 |
| 第12回 | ぼくのゲームボーイ | 2007.03.13 |
| 第11回 | ぼくのスペシャル文房具 | 2007.03.06 |
| 特別編 | DON’T TRUST UNDER 20 | 2007.02.27 |
| 第9回 | ホットドッグプレスとぼく | 2007.02.20 |
| 第8回 | ぼくは凄腕スナイパー | 2007.02.13 |
| 第7回 | 彼女とぼく | 2007.02.06 |
| 第6回 | 少年のフキダシにぼく ‐その2‐ | 2007.01.30 |
| 第5回 | 少年のフキダシにぼく ‐その1‐ | 2007.01.23 |
| 第4回 | 華麗なるダンスステップで、ぼく | 2007.01.16 |
| 第3回 | 鮭とブランデーとぼく | 2007.01.09 |
| 第2回 | 鮨とイタリアとぼく | 2007.01.02 |
| 第1回 | 毒とユーモアとぼく | 2006.12.24 |
