
第5回 少年のフキダシにぼく ‐その1‐
「お米は生きている」を毎日欠かさずチェックしてくれている読者のみなさんの中には、すでに薄々感づいてしまっている人も大勢いることとは思いますが、僕の趣味は「映画鑑賞」と「名刺作り」です。
今回のコラムでは「映画鑑賞」なんていうクソおもしろくもなんともない趣味については一切触れずに、僕が今一番ハマっている「名刺作り」について、具体的な作品の数々を提示しながら、その趣味の世界の奥の深さを少しでも多くの人たちに感じてもらえたら……なんて、意味のわからないことを考えてしまっています。
ところで、「名刺作り」が趣味と言われても、いまいちピンと来ないというのがみなさんの正直なところだと思います。
学校の机の裏側に大量のハナクソをコレクションしている人は自分の知り合いに何人かいたとしても、「名刺作り」が趣味だなどと意味のわからないことを口に出す危険人物はなかなかいないものですから、そのように感じてしまうのも到底無理はないことなのです。
しかし、みなさんは今まで全く気づかなかったかもしれませんが、実は「名刺作り」が趣味の人って、人には言わないだけで、クラスに3~4人は必ずいるものなのです。
そして、その数少ない「名刺作り」を趣味としている人たちも、「こんな危険な趣味を持っているのは、もしかしたら自分だけかもしれない……」と、いつ「名刺作り」が趣味だなどということがほかの人にバレてしまうのか、毎日ビクビクしながら過ごしているので、ますます「名刺作り」は世間に広く認知されることのないマイナーな趣味になってしまっているというのが、僕の考えた「名刺作り」という趣味の実情っぽい話です。
「名刺作り」を趣味としている人の「名刺作り」への取り組み方は人それぞれ実に様々ですが、一般的には以下の3種類のタイプに大きく分類することが可能だと言われています。
① 自分の名刺を作る人
② 他人の名刺を作る人
③ 名刺を作らない人
③のタイプの人にとっては、もうすでに「名刺作り」は趣味でもなんでもないような気もしますが、どうせお菓子など年に1度作るか作らないかというくらいなのにもかかわらず「お菓子作り」を趣味としてプロフィールに掲載しているアイドルもたくさんいる(と思う)わけですから、③のようなタイプの人も「名刺作り」が趣味であると恥ずかしげもなく言わせておかなければ、かわいそうだというものです(ちなみに、「読書」が趣味だと言う人の読書量ほど疑わしいものはない気がします)。
そう言う僕は、②のタイプに当てはまる典型的な「他人の名刺を作る人」です。
というわけで、そんな赤の他人の名刺を日夜作り続ける僕の最新の作品の数々をこれからみなさんにご覧に入れようと思います。
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まずは、こちらの名刺を紹介しましょう。
最近人気に陰りが見え始めたこの人のために作った、僕イチオシの名刺です。
ポップな印象を有権者の人たちに与えること。
それがこの名刺のデザインの最大のねらいです。
第89代内閣総理大臣に比べて地味な印象を拭い切れない彼には、これくらいが丁度いいのです。
そして、そんな彼が毎度毎度口にしている例の持ちギャグをプッシュした特別バージョンも、こんな感じで作ってみました。
「おなじみ」っていうフレーズのせいか、この人はやっぱりそれ以上でもそれ以下でもないな……っていう気が不思議としてしまう、そんな名刺に仕上がってしまいました。
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そういえば、一時期に比べて人気に陰りが見えっぱなしのこの人の名刺も作ってしまいました。
たまにNHKに出ています。
僕が小学生だった頃には彼女がメインの番組がいくつもあったように記憶していますが、そんなことは今は昔。
もうあの頃ほどあくせく働く必要もないポジションであることはわかりますが、これほどまでに盛者必衰のコトワリをあらわされると、こっちが心配になるというものです。
また渡辺徹やゆき姐と一緒に視聴者の投稿ビデオを紹介する番組なんかをやってくれたら、僕はとてもうれしいのです。
ついでに、桂文珍がやっていた『はなきんデータランド』も、ぜひもう一度見てみたいです。
よろしくお願いします。
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続いては、アディダスと言ったら彼、彼と言ったらアディダス。
そんなこの人の名刺を紹介します。
昔『世界・ふしぎ発見』によく出ていました。
番組のセットがまだ今のように明るくポップなものではなく、いかにも「世界のふしぎは俺たちが全部発見してやるぜ!」と言わんばかりの(!?)黒を基調とした重厚なものだった時代、今も昔も変わらないレギュラー解答者(黒柳徹子・板東英二・野々村真)のほかに、もうほとんど準レギュラーと言ってもいいような3人のゲスト解答者がいたことを、みなさんは覚えているでしょうか?
そう、その3人のゲスト解答者とは……
うじきつよし(第1位) 城戸真亜子(第2位) 越前屋俵太(第3位)
伝説の最強トリオです。
ちなみに、カッコ内の順位は僕の独断と偏見によるもので、何のデータにも基づいていません。
僕にとってのうじきつよしは、アディダスというよりむしろ『ふしぎ発見』のゲスト解答者(ほぼ準レギュラー)としての印象が強すぎて、『サンデープロジェクト』や大河ドラマ『義経』、そして彼の原点でもある「子供ばんど」における活躍は、もはや忘却の彼方……といったわけなのです。
「……あ、またうじきつよし出てる」
今でもたまにそうやって、誰もいない部屋の片隅で、一人で呟いてみることがあります。
もちろんうじきつよしは、もうそれほど頻繁に『ふしぎ発見』には呼ばれません。
それは仕方のないことです。
そんなことはわかっていますが、僕は心のどこかで、もう一度テレビ画面に向かってそう言える日が来ることを、期待してしまっているんだと思うのです。
土曜日の夜、風呂上りに親父と一緒に牛乳を飲みながら夢中になってミステリーハンティングをしていた幼き日の僕。
ブラウン管の向こうには、歴史ロマン溢れる古代マヤ文明の遺跡と、ヒトシくん人形と、スーパーヒトシくん人形と……うじきつよし。
もうあの頃には決して戻れないんだな、なんて思うと自然と涙が込み上げてきます。
うじきつよし、カムバック。
よろしくお願いします。
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さて、今回のコラムでは僕の作った3人の赤の他人の名刺を紹介してきました。
読者のみなさんの中には「もう充分だ、これ以上お前の作った名刺を紹介したら殴るぞ」といった気持ちの人もいることとは思いますが、そういった声にはあえて耳を傾けず、来週も引き続き、僕の作った愛すべき赤の他人たちの名刺を次々と紹介していきたいと思っています(来週で一旦この名刺企画は終了するつもりですので、ご安心を)。
そんなわけで、今日のコラムはこれで終わり。
来週は、映画『ショーシャンクの空に』や『ミリオンダラー・ベイビー』でおなじみの、あのハリウッド映画の重鎮とも言うべき大御所俳優の名刺の紹介からスタートしていくつもりです。
一体どんなファンキーな奴らの名刺が飛び出すのか。
来週も絶対に、見逃す手はありません。
第5回 少年のフキダシにぼく ‐その1‐ 終
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