ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。
第50話 プロジェクトS-その46-

どうも。鈴木です。

見出しにもありましたが、年末ということでちょっといつもとは違ったものを。
このお話の筆者の鈴木アキヒロの実家はこの少年Sに出てくる鈴木昭弘くん(筆者とは別人ですよ。繰り返しますが。)と偶然にも同じ、愛知県の知多市というところなんですよ。

知多市というところはまあ、掴み所のない田舎でして、一応ポジション的には名古屋市の郊外、ベッドタウンといったところでしょうなあ。名古屋から私鉄の急行電車30分そこそこで着くんですよ。確かに田舎なんだけど、鉄道が廃止されたりみたいな不便さもないし、山間部のような綺麗な小川があるわけでもない、中途半端な田舎ですね。

そんな故郷に久しぶりに戻ってみて、母親のこさえた晩御飯を久しぶりに食べて、仏間でごろごろしてたときに、ふと、中学校に行ってみようと思ったんですよね。この場合、中学校っていうのは、少年Sの舞台である知多市立東部中学校です。偶然にも筆者は昭弘くんと出身中学校が同じでありますので、とりあえず当時の昭弘くんを思い出す手助けにもなるであろうということで行ってみたのです。

家を出ると街灯が少ないから夜になるとものすごく暗いんですよね。そんな通学路をてくてくと歩いて東部中学校に向かいました。

寒空の下ふと上を見上げると結構な数の星が。ここもそんなに見えるはずはないんですが、東京に比べると多いですね。っていうか東京でこんなにまじまじと空をみないなあ。

東部中学校の門は閉まっていますが、卒業生をなめんな。ということでテニスコート裏の抜け道から侵入。うわあ、なんか周囲の竹林や畑もそのまんまですよ。懐かしいなあ。


さて、グランドのベンチに座って。ボーっと母校を眺めると、いろいろと感慨深いものがあります。


現在、筆者も昭弘くんも東京で一人暮らしですが、そういう人間はかなりの少数派。多くの友人が故郷で暮らしています。徹くんも、ハラマサくんもそうです。この畑と雑木林にかこまれた何の変哲もない中学校に学んで、どうして東京に出ようなんて思ったんでしょうね。僕も昭弘くんも。(主語が変わった!)


ぼんやりとそんなことを考えながらブラブラしていると、ふと向こうの方に懐かしい建物が。そう。部室棟です。部室棟っつーのはまあ、どこの学校にもあると思いますが、運動部の部室がずらっと並んでいる掘っ立て小屋みたいなやつですわ。どの部室もありえないくらいの激臭を放っていましたね今思うと。

んで、それを見て急に思い出したことがあったんですよ。
あれは中2の春。なんと昭弘くんは部室棟の裏の人目につかない狭いところを、急に耕し始めたのです。そして「何をしとるんだ?」と周りに聞かれた昭弘くんはなんと「ここで野菜を育てたら面白そうだが。水も肥料も学校のちょろまかせばいいんだし。」と言い出したのです。いやあアホですよね。

でも結局昭弘くんは徹くんなど他の友達も巻き込んで、その場所に2平方mくらいの小さな畑をホントに作ってしまったんです。そこで彼は茄子を栽培し、そして見事先生にばれることもなく、収穫まで至ったのでした。

早速現場となった部室棟の裏に行ってみましたが、今はもちろんその跡などは残っていませんでした。でも、おそらく全国でも「部室棟の裏で勝手に茄子を栽培した生徒」というのは昭弘くんくらいしかいないでしょう。戦時中の食糧難のころにはいたかもしんないけど。

筆者はこの畑跡地を見ながら(ちなみに昭弘くんはここを「秘密の花園」と呼んでいました。やっぱ頭おかしいよな。)ふと当時昭弘くんが言っていたことを思い出しました。

「俺さあ、なんかおもろいことしながら生きてきてえわ。なんでもええでさあ、なんかおもろいことしてたいんだわ。」

あれからもう7年。昭弘くんも筆者も就職活動をしながらいわゆる普通のサラリーマンになるため奔走しています。当時の昭弘くんが見たら、今の僕らをどう思うんだろうなあ・・・、などと思いながら、中学校をあとにしました。

とりあえず、筆者は当時の昭弘くんに報いるためにも、来年も精進して、このお話を続けていかねばなるまい・・・。そんな風に思いました。


さて、そんなわけでみなさんよいお年を。