ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。
第46話 プロジェクトS-その42-

「おはよう。」


次の朝、CDを三枚持って学校にいった昭弘くん。牧田さんに声をかけます。


「あ、おはよう、鈴木くん。寒いね。」


「寒いね。あ、えっと牧田さんと何か約束してたよね、あ、そうだCDだ。持ってきたよあれ。」

昭弘くん自然体を意識してるつもりなんでしょうけど、まったくの不自然です。


そういえば、よく就職活動などで「自然体の自分で挑むのが大事」とか言ってますけど、んなことしたら落っことされるに決まってますよね。例えば根暗な人が自然体で根暗な面接をしたらそれはいらない個性なんだからはじかれるに決まってますよね。


閑話休題


「え!ほんと?ありがとー!!」

いやあ、こういうときの女の子のリアクションって、いいですよね。嘘でやってるのか本当でやってるのか知りませんけど。男にCDとか貸しても「おっ。」とか「悪いな」とか「サンキュー」とかいいながら口の隅で少し笑うだけですから。女の子はその点感謝みたいなのを結構素直に出してくれるものですよね。
しかし、まあおそらく女の子は厳しい友人関係の中で自然と「みんなに受け入れられるリアクション」みたいなのを体得していくのでしょうなあ。そう考えるとちょっと尊敬してみたり同情してみたりという気分ですね。


「えっと一応適当に三枚入れといたよ。」


ぜんぜん適当じゃないくせに。


「わーい、あ、ほんとだ、鈴木くんのおススメなんだよね?ありがとー。テープに録音するね。」


「いや、こんなことでよければいつでも言ってよ。無駄にCD持ってるから。」


「ありがとね。じゃあ、先生に見つかるとやばいから早速しまわないとね。」


「あ、そやね。じゃあ、返却はまたいつでもいいから。延滞料はとらんで。」


「あはは、分かった。じゃあ録音したら返すよ。」





その日の授業後でした。

「昭弘、どうだ、CD渡せたか?」


「おう、ばっちりよ。」


ハラマサくんです。


「なあ、昭弘。」


「なんだよ。」


「お前、うまくいきそうだな。」


「そうか?」


「ああ、だってすげえよな。CD貸したりさ。いやすげえよ。」


「そうか。」


「がんばれよな。」


「ああ、まあね。頑張るけどさ。どうしたんだよ急に。」


「いや、なんでもないけど、いま昭弘楽しそうだからさ。だから頑張って欲しいわけだ」
 

「なんかハラマサらしくねえな。」


「いやいや、何を言うか。俺はいつでもナイスガイだ。」



「ナイスガイ・・・・。」




次回へつづく・・