ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。
第43話 プロジェクトS-その39-

いやあ、菊花賞は外しました。
でも四着に来た人気薄のエイシンダードマンは買ってたんですよ。今週は天皇賞秋、頑張りたいものです。

さてさて、おはなしの続きに。


「やあ、ハラマサくん。徹くん。一緒に帰ろうではないか。」

昭弘くんはその日の帰り道、ハラマサくんたちを見つけるやいなや、えらそうに肩を叩いていいました。見るからにご機嫌なのが分かります。どうでもいいですけど、ご機嫌な人って滑稽ですよね。

「おお。なんだ、どうだその後の進展は?」

「いやあ、これ、かなり来ちゃってるよ。」

「マジか!?」

昭弘くんは今日の出来事を話しました。


牧田さんに尊敬を受けたこと、そして実は、あのあと、調子にのった昭弘くんは話題を修正して、ちゃっかりCDを貸し借りする約束を取り付けたことも。しかも昭弘くんは、自分はかなりCDを持っている、邦楽(今はJ-POPと言いますね。もちろん昭弘くんの時代もそうでしたが、昭弘くんはおじんくさかったので「邦楽」としつこく爺さんみたいに言っていたのでした。)はおろか洋楽とかもある、ということを若干自慢とも取られかねない言い方でのたまっておられたのですが、牧田さんは素直に「すごーい。」と言ってくれ、そしてCDを貸してほしいと牧田さんから言ってくれたのでした。
しかも
「鈴木くん、詳しそうだからおススメのCD適当に入れといて!」
というお言葉まで頂いたのです。昭弘くんすっかり有頂天です。いやはや。ちなみに二宮くんが好きという情報はカットして話ました。あまり思い出したくも口にしたくもなかったのでしょう。


「つーことは、お前は会話にも徹の考えたCD貸与作戦にも成功したというわけか?」

「まあ、そういうことだわ。あとはナイスなCDをチョイスして、貸せば、またいくらでも会話の機会はあるわい。」
昭弘くんは得意げに言いました。

「はあ~。なんか、やるなあ。お前・・・。」

二人はしみじみと言いました。


そうなんですよね。徹くんもハラマサくんも今はこうして昭弘くんの「プロジェクトS」のために尽力しているわけなんでけど、二人とも彼女とか、女友達とかそんなものはおらんわけですね。
そういう状況で、友人の恋愛を応援するというのもなかなか複雑な心境です。まあ、今回はハラマサくんや徹くんが牧田さんのことを好きだったとかいう悲劇的なことは無かったんでよかったですが。
二人とも最初のうちは正直恋愛ベタな昭弘くんが成功するなんて心の底からは思っていませんから好奇心もあいまって応援してたのですが、なんとなくここまでの流れから行くと昭弘くん、成功しそうなかんじですよね。なんかいざそうなってくると、今度は「いいなあ・・・」っていう思いのほうが強くなるんですよね。いや、別にだから「昭弘ムカつく氏ね」とかいうんじゃないですよ。もちろん。ただ、二人としてはちょっと昭弘くんに負けてるかも・・・という気持ちが芽生えちゃうわけですね。


「さ~て!どんなCD貸してあげよっかな!」

昭弘くんはそんな二人の気持ちをよそに一人盛り上がります。


冬の早い夕暮れで周りはもうほとんど真っ暗なのでした。


次回へつづく・・・