ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。
第36話 プロジェクトS-その32-

どうも。鈴木です。
大学生ともなると夏休みも長い。もう八月も終わろうとしているにも関わらずまだまだ一ヶ月以上も残っています。

しかし、確かに長いのだけれども、なんというか質より量といった感じで、中学・高校時代のそれとは一日一日の重みが違う感じですね。


いや、別にやってることに大差があるわけではないんですけどね。
中学も、高校も、そして今も、なんとなくその日にやらなくてはならないことをやって一日が終わっていくというサイクルに違いはないんですけれども。なんとなく質的な違いを覚えるんですよね。

孝行したいときに親は無し、と同じように

時間があるときに感性は無し、ということなんですかね。



さて、ちょっとおセンチになったところで、脂ぎった感性と性欲のみで突き進む、昭弘くんたちの話に戻りましょう。



「次の作戦だぁ~?」

ハラマサくんがあきれ声を出します。

「そうよ。次の作戦よ。」

昭弘くんは自信満々に言います。

「いやいや昭弘。次の作戦より前に、今こうして会話がうまくいきかけてんだからさあ、それで攻めればいいんじゃないの?」

徹くんは慎重論を投げかけます。

「いやいやいや。」

「いいか、二人とも。時期を考えろ時期を。今は何月だねハラマサくん。」

「1月。」

「そう。1月だ。おめえ1月といえばもう三学期だよ。」

「ああ。んなこたわかっとるわ。」

「三学期とは言え、二月終わりはテストだよ。それまでの2週間くらいはみんな恋愛どころではない。」

「おお。」

「したがって、このクラスでいられるのは実質三月半ばまでの2ヶ月ちょっとだが、実際はもう2ヶ月を切るくらいしかリミットがないということなんだよ。」

「ほうほう。」

「つまり、こうして君らの言うように、会話作戦を続けていれば、そりゃあ、仲良くはなるさ。でも、仲良くなった頃にクラスが変わっちゃどうしよもないんだよ。」

「なんでだよ。クラスが違っても付き合えるじゃんかよ。」

「馬鹿ヤロー、クラスが離れちまったら、告白をするのがすこぶる大変になるじゃねえか。」

昭弘くんは力強く言いました。

「ええ~そうか~?別に会話で仲良くなってればそのへんに適当に呼び出して言えばすむ話じゃないの。クラスは関係ないよ。」

徹くんが反論します。

「いやいや、クラスが違うと絶対大変だって。なにせ会話をしようと思ったら他のクラスまでいくしかないんだから。牧田さんとは通学路も全然違うし、行き帰りで一緒になることもまずないだろ。だから無理なの。孝行したいときに親は無し、のように、告白したいときには牧田さんが遠い存在になってたらまずいんだよ。」

昭弘くん、単に自分がチキンなのを巧妙にクラス替えに転嫁してます。

しかしまあ、中学生くらいまではこの手の話はよくある話です。クラス替えの度に気になる女の子がコロコロ変わりながら小中高と過ごしてきた少年少女はいくらでもいるはずです。お読みのあなたも心当たりはあるでしょう。昭弘くんにはなんとなく、クラスが変わったらこの想いがどうなるか分からん、といったものがあったから早く告白してしまえる環境にもって行きたかったのかもしれません。

「なるほどね。まあ、たしかに同じクラスのうちに行くんだったら、悠長なことは言ってられないかもしれんな。」

徹くんが昭弘くんの案に理解を示しました。

まあ、確かに、携帯電話が普及しだした頃で、女子との通信手段なんて直の超え掛けしかなかったわけですからね。気持ちは分からんでもないです。


「しかし、会話を重ねて接近していく意外に何か作戦なんて立てようもなかろうに。」


「だからあ、それを考えようと言ってるんじゃない・・・。ねえ、お二人さん。何かいい知恵無いかね?」



昭弘くん、二人に頭を下げて知恵を乞います。


「うーん。」


二人も仕方なく考えてあげます。昭弘くんも、いい友達をもちましたねえ。





「ああ~・・・。」

徹くんが微妙な声を出しました。



「こんなんどうだ?」



次回へ続く・・・