ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。

第21話 プロジェクトS-その17- 


どうも。鈴木です。
東京では麻疹が流行っているようですが、みなさんは大丈夫でしょうか?なにやら潜伏期間などもあり、厄介な病気らしいので気を付けていきたいものです。

まあ、その病気が僕に第二次ゴールデンウィークをもたらしてくれたというのは感謝するべきことなのかも知れないですけれども。

みんな結構うらやましがるのですが、

しかしそういう状況になったらなったで、補講やなにやらで夏休み短くなったら厄介だなあ、などと思うのが人間でありまして。やっぱり普通に授業やってるうちが華だなあなどとしみじみ実感している今日この頃でございます。

ま、いいでしょう。

さて話は前回の話の日の帰り道になります。

その日の朝、牧田さんにしゃべりかけられて、すっかり有頂天の勘違い昭弘くんはいつも以上に授業に集中せず(数学の授業中に先生に当てられたときも「ん?なにい?」と言ってしまい、先生をぶち切れさせたくらいの終わり具合だった)に帰りを迎えてしまったのでした。

「おーい、昭弘?大丈夫だったか?今日数学のあと風井にえらく怒られたらしいがや。」
やってきたのはハラマサくんです。
「あ、ああ?風井?うん。なんか大きな声出しとった。」
風井というのは数学の男性教員で、昭弘くんのクラスを受け持っていました。先述のとおり、昭弘くんはこの風井先生に「ん?なにい?」と言ってしまい激怒させ、その授業のあと廊下でこっぴどく説教を受けることとなったのでした。

「大きな声だしとったってお前怒っとんだから当たり前だが。」
ちなみに今のハラマサくんのせりふの最後の「~だが」っていうのは、方言で、共通語のような「~だが~ではなかった。」というような逆説の使い方ではなく、「~だろうに」という相手に同意を求めるようなニュアンスになります。

しかし昭弘くんは
「え?そう?いや、なんか風井がイラついとるのは分かったけど、結局なんのことでおこっとるのかは最後までわからなんだ。」
とあっけらかんと答えたのです。

「お前・・・。」

昭弘くんの急な駄目化にハラマサくんもいささかあきれ具合です。

「おーっす。」
二人を見つけて徹くんもやってきました。
「なんだ?どうしたハラマサ?神妙な顔して。」

「お。徹、ちょっと。」
「なんだ?」
「なんか昭弘がおかしいんだよ。」
「どこが?」
「なんかぼーとしてるんだよ。」
「ぼーっと?」
「そう、数学のときもおかしかっただろ?今日?」
「ああ。そういえば。」
「なんか変なんだよ。徹なんか心当たりねえか。」
「心当たり~?」
「・・・・。」
「・・・・。」




「ってか考えるまでもなくあれしかねえよな・・・。」
「だわなあ・・・。」
二人はため息をつきました。

「なあ、昭弘。」

「なんだーい?」

「なんか最近いいことあったかい?」

徹くんは昭弘くんにききました。


「え~、いいこと~?」

昭弘くんは大変に気持ち悪い笑顔で徹くんの問いに答えました。

「いやあ、なくはないんだけどねえ。」

「そうか。」

「いやあ、なんかねえ、徹くん。」
何故か急にえらそうな態度になった昭弘くんは一息置いてからこう言ったのでした。

「久しぶりに、恋をしてしまったようだよ。」



次回へつづく・・・。