ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。

第13話 プロジェクトS-その9-


いやあ、申し訳ないです。

予期せぬ用事が発生し、ここ二日ほどネットのない環境でございまして。

んで、さっき帰宅し今急いでこれを書いておる次第でございます。

まさかこんなに早い時期から原稿落とすことになるとは思わなんだ・・・。


さて、言い訳はこのくらいにして本編いきましょう。


「おるっちゃおる。」

昭弘くんはハラマサくんと徹くんに対し、そう言ったのでした。

そう。察しの良いみなさんならもうおわかりでしょう。

昭弘くんになぞの年賀状を出してきて、
新学期の日、それまで全然しゃべったこともなかった昭弘くんに急にしゃべりかけてきた、

牧田彩夏さんその人でございますよ。


「誰だ!?誰だ!?誰だ!?」

二人は昭弘くんの思わぬカミングアウトに色めきたちます。

「おお。おったわそう言えば。何か急にしゃべってきた人。」
「そうか!やっぱお前も探ればネタがあるんじゃねえか!」

恋愛の話を「ネタ」の二文字で表すのもむなしい話ですが・・・。

「で、だれだ?」

「えーっと、牧田さん。」

「牧田?誰だっけ?」

「ああ、あのバレー部の目立たん子じゃね?」

「そうそう、バレー部の牧田さん。」

「へえ~。」

二人は「意外だなあ」というような表情をしました。
前にも述べましたが、中学生の恋愛の定説では、昭弘くんはここで
「かなりかわいい女子」
に当たる人の名前を出してしかるべきでした。

しかし、出てきたのは、
「牧田さん」
という、「普通中の普通」という感じの、「これぞ顔面偏差値53」な女の子です。

だからあとの二人はこの思わぬ固有名詞が飛び出してきたことに少々面食らってしまったのです。

「え、で、牧田さんがどう接近してきたわけ?」
徹くんが訊きます。

「いや、なんか年賀状が来た。」
中学生とは、なんとなく小っ恥ずかしいことをいうときに「なんか」を連呼する傾向にあります。

「年賀状!?」
「そう。なんか、あけましておめでとう~とか普通の内容だったけど。」

「へえ~、でもさあ、昭弘あの子と年賀状やりとりするほど親しかねえよなあ?」

「うん。もちろん。だからなんかよくわかんないんだよね。」

「ふーん。で、なに、今日とか喋ったりしたの?」

「ああ。なんか、教室入ったらいきなりおはようとか言われて、で、なんか年賀状のこととか喋った。」

「なるほど、それは急接近といって差し支えないだろうなあ。」

「だろ?」

昭弘くん、さっきまでそっち系の話題言うの思いっきりためらってたのに、いつの間にやら「だろ?」とか言いながら二人にべらべらと喋ってしまいました。

まあ恋愛話というのは多かれ少なかれこういう傾向にあるのですが。

これは中学生に限ったことではありませんがね。



次回へつづく・・・