ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。

第12話 プロジェクトS -その8-


どうも。鈴木です。
いやあ、この「お米は生きている」もコンテンツが充実してまいりましたね。
そして人類はノルウェイの森の性描写でごはんこんなにいけてしまうものなのかと、感心しております今日この頃です。

さて、では先週からのつづきからまいりましょう。
好きな人はいないのか?と聞かれてしまった昭弘くんと友達たちの会話から。


「なるほど。倉山のことはもうなんとも思っとらんわけだな。」
ハラマサくんが言いました。

「まあ、小学校のときの話だでな。」
昭弘くんはちょっと恥ずかしそうにそうこたえました。

「ええ~、じゃあ今好きな人は誰なの~?」
徹くんが言います。
「そうだて。誰かしらおるだろ。」
「言っちまいなって。」
「吐いちまえば楽になるって。」
「ゲロッちまいなって。」

「やかましいなあ・・・。今はとくにおらんて。」

「なんだあ!つまらん!」
二人は身勝手にも真剣につまらなそうな顔をして言いました。

「そんなこと言ったって、おらんもんはしょうがねえがや。」
昭弘くんはぶっきらぼうに言いました。

そう。実際昭弘くんにはこの時点ではとくに好きな人と言える人はいませんでした。
というのもやはり先に述べた「倉山ショック」は昭弘くんの想像以上の痛手を彼に与えていたのでした。そしてそれにより、彼の持つ性欲とは裏腹に昭弘くんは恋愛というものに対して若干不信気味になっており、特に誰を好きになるということもしばらくの間なかったのです。この当時に彼の頭の中で中核となっていた女性と言えるのは、せいぜい昭弘くんの通う東部中学校で国語を教えていた杉浦先生(28歳・既婚)というわりと綺麗めな女性教師と、当時アイドルユニット「SPEED」のメンバーとしてけっこうな人気を誇っていた上原多香子さんくらいなもので、昭弘くんの日常的妄想の中によく登場人物として出てくる女性も9割くらいこの二人で占められていました。
「杉浦先生には中学一年のときの国語しかもってもらってないけど、妄想の中では一緒にナガシマ(注:三重県にあるナガシマスパーランドという遊園地のこと)に行ったりもしたよ。なつかしい。」
と、後年昭弘くんはこのような実にドン引きな発言も残しています。

話はそれましたが、つまりこのとき昭弘くんは恋愛に対する情熱を若干失いかけていた状態だったのです。まあ、確かに、中学生とはいえそういう時期があってもいいでしょう。


「そうか~、ほんとにおらんのだったら、つまらんけど致し方ないか。」
「そうだな、でももう少し空気読んでほしかったよな。」
「本気でさっきの空気読んだら嘘つくしかねえだろうが。」

「まあそうなんだけどね。じゃあさあ、別に好きってわけじゃなくてもいいからさあ、なんか気になる子とかおらんの~?」
「気になる子?」
「そうそう、かわいいと思ってる子でもいいし、逆に、最近この子よく喋りかけてくるけど自分に気があるのかなあ、みたいなのでもいいしさ。」

「ええ~?」
急な質問に昭弘くんもたじたじです。
「そうそう。気軽にこたえろよ。馬鹿にしたりはしないからさ。」
「かわいいと思ってる子、もしくは自分に気がありそうな子ねえ。」
「誰でもいいから早く言えよ。この際家庭科のシーサー(注:東部中学校で家庭科を教えている52歳の女教師のこと。このあだ名はもちろん顔つきから来ていることはいうまでもない)でもいいから」
「ハラマサうるさいよ。」
「すまん。」

「俺に気がありそうな子ね・・・・」
「誰かおらんの?最近になって妙に接近とかさあ。」
「うーん・・・・・・・・・。」


「あ。」


「お。誰か思いついたか?」



「・・・うん。おるっちゃおる。」




次回へ続く・・・