ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。

第10話 プロジェクトS -その6- 


こんにちは。鈴木です。

とりあえず、前回の続き、三人の少年たちの会話からの再開です。
と言っても今回は作者の話ばかりで登場人物たちはあまり動きませんが・・・。
ではどうぞ。


「とりあえずだ。」
ハラマサくんが突如言いました。

「俺らは中学1年生なんだよ。」
「はあ?」
「中学一年生ということはまだ13年しか生きてないってことだよ。」
「うん。まあ、そうだわな。」
「だからまだまだガキであることを自覚しようではないか。」
ハラマサくんはそう言うとコーンスープの缶の底にへばりついて離れないコーンの粒をあきらめて、缶をゴミ箱に投げ入れました。

「まあ、それは事実だね。恋愛だの何だの言っていいのかどうかもよく分からない年齢だよね。」
徹くんがぼんやりと言いました。
「だろ?さっき俺は彼女が欲しいだの、生活に色気が無いだの言うたが、仕方が無いことなんだよな。これは。ガキなんだから。」

ハラマサくんは同意を求めるように二人を見ました。

ハラマサくんの言うことは正しいようですが、言ってることは完全に負け犬の遠吠えです。
したがってそれが分かった昭弘くんと徹くんにはイマイチ賛同し難い説ではありましたが、過去の傾向からもこうなったハラマサくんは放置しておくのが一番なので
「そうだな、そのとおりだ。」
と言いながら二人は流しておいたのでした。


しかしハラマサくんはこう言ってますが、実際は中学一年生とはいえ恋愛をする奴というのはこんな田舎中学校にもちょっとはいました。

小学校時代、少年少女にとっては恋愛とは未知のものであると言っていいでしょう。
「おい、昭弘は山口亮子(仮名)が好きらしいぞ!」
「まじか!」
と言った会話をしては意味も無く興奮したり当事者をはやし立てたりするのが当時の小学生の恋愛でした。今はどうかは知りませんが。

しかし中学校へ入ると途端に「恋愛」は生々しくなります。二年生や三年生の先輩たちが一緒に下校したり手をつないでいたりというのを目の当たりにするわけですね。いわゆる「付き合う」という行為を見るわけです。

これに小学校出たての中学一年生は衝撃を受けるのですね。

で、自分らもやってみたいと思うわけですな。恋人を作って一緒に帰りたい!と思うわけですよ。

しかし、世の中そんなに甘くはない。

恋愛に成功するものもいるのですが、多くの中学生は恋に破れていくのです。


中学生は顔面偏差値により
男子は「かなりイケメン」と「それ以外」
女子は「かなりかわいい」と「それ以外」
に分類されます。

これが高校生にでもなると、もう少し多様化するのですが、中学生の狭い世界ではこんなもんです。

で、その中の勝ち組である。「かなりイケメン」と「かなりかわいい」が中学恋愛の主役となります。

そして彼らはその中だけでくっついたりはなれたりするだけで、決して「それ以外」の男女にはお鉢が回ってきません。


図にすると


かなりイケメン ←片思い かなりかわいい以外の女子     
↓↑ もちろん相思相愛             ↓↑お互いそんなに興味なし
かなりかわいい  ←片思い かなりイケメン以外の男子


こういう構図になります。

中学生の恋の多くはこの図式がよく飲みこめておらず「それ以外」の階級の人々が「かなりイケメン」もしくは「かなりかわいい」などの富裕層に恋をするためだからと言えるのです。しかし富裕層はその他大勢にはもちろん興味はありませんから当然ふられて終わるわけです。中学生が恋している割合が高いのにカップルがそんなにできないのはこういうわけなんですね。


そして、昭弘くんもハラマサくんも徹くんももちろん「かなりイケメン以外の男子」に分類されますから、ああいった会話になるわけですね。


ハラマサくんのいうように中学一年生とはまだガキですから恋愛などしてなくても、それはそれで全然普通のことで、なんら恥ずべきことではありません。それは分かっている。しかし、一方で富裕層の人々は恋愛を成功させています。そういうのを見てうらやましい、と思ったり、異性に興味の出てきている自分がいるのもまた事実。その狭間で中学生というのは苦悩するわけです。


昭弘くんの場合はどうなっていくのでしょう?


その辺は次回以降詳しく





次回へつづく・・・