ライター:鈴木アキヒロ
中学時代。あの頃僕らは何を考えていたのだろう。頭の中の九割は性欲で残りの一割で遊んだり勉強したりしていたあの頃。そんな時代を少年Sと一緒に思い出してみませんか?
ちなみに少年Sは筆者とは何の関係もありません。マジです。いやほんとに。ほんと ですって。

第5話 プロジェクトS -その1-


どうも。筆者の鈴木アキヒロです。
どうでした?昭弘くんとハラマサくんの起こした事件は?
まあみなさん似たような体験をされていることでしょうし、共感いただけたのではないでしょうか?

丁度、区切りな感じになったので、この「少年S」についての説明をざっとしておきたいと思います。

このコーナーの内容は1999年4月から2002年3月までの世紀をまたぐ三年間に田舎で中学生をしていた、鈴木昭弘少年とその仲間たちの、わりとどうしよもない青春物語であると思っていただければ結構です。

断っておきたいのは、この鈴木昭弘少年と筆者である鈴木アキヒロは何の関係もない、ということであります。何せ同姓同名なので勘違いされる方も多いと思いますが、考えても見てください、鈴木もアキヒロも多い苗字と名前ではないですか。だから全く不自然ではないのです。ええ。ほんと大変ナチュラルですよこの現象は。

この話はあくまでも鈴木昭弘くんの中学生時代のエピソードを、鈴木昭弘くんの視点で、わたくし鈴木アキヒロが書いているだけなのであります。そこんとこだけ皆様にご理解いただきたいのです。そう。わたくしの名誉のためにも。

大丈夫でしょうか?このコーナーの概要。ま、くだらない読み物なんであまり深く考えず適当に読んでいただければ大丈夫です。



さて、では今回の話に移りましょう。

もう一月も後半ですね。ついこないだ正月だと思っていたらもうこんなに時が経っています。早いものです。この調子だと今年もあっという間に終わっちまうんでしょう。

さて、正月といえば年賀状ですね。大学生になるとやり取りも少なくなりがちですが、中学生の頃というのは友人の数も増えて年賀状のやりとりも盛んな時期です。まだ携帯電話も中学生にはそこまで普及していない頃の話でしたから、当然昭弘くんやその仲間たちもせっせと年賀状を書いては友人に出したり、またやってきた年賀状を楽しく読んだりしていました。


今回の話は昭弘くんにやってきた一枚の年賀状からはじまります。

2000年、1月1日。昭弘くんは中学生活最初の正月を迎えました。
話は前回からとんで昭弘くん中学1年生の冬休みのことです。

この年も20枚ほどの年賀状が昭弘くんのもとに届きました。


「明けましておめでとう!去年はいろいろと世話になったな!
2000年だな!今年のダービー馬は何になるだろう?今年もよろしく!」

これはご存知ハラマサくんからの年賀状です。
彼らしく競馬の話題ですね。ダービー馬の話題を投げかけっぱなしでいきなり「今年もよろしく!」になだれ込んでしまう無理やりな文章構成が、いかにも男子中学生といった感じですね。さらに文章の下には干支である手書きの龍が描いてあります。各家庭がパソコンで印刷を手軽に行えるようになるまではあと数年を要します。


「おめでとう、明けまして(倒置法)
いきなりですが問題を出します。ある・なしクイズです。
ある              なし
君                私
月                日
貝                魚
的                矢
握り              散らし
パン               米

我ながら上出来・・・、一年くらい考えていてください。今年もよろしく!」

これは昭弘くんの友人、都築徹(つづきとおる)くんから来た年賀状です。

徹くんは中学1年の途中で名古屋から引っ越してきた学年で一番の秀才でしたが、昭弘くんとは同じ陸上部ということもあって非常に仲がよかったのです。徹くんは頭はよかったけれどもいじられやすいキャラでした。

そんな彼からの年賀状ですが、国語の授業で習ったばかりの倒置法を使って、早々とギャグを繰り出しますが、そこまでのクオリティはありません。
その下には彼が自信を持って昭弘くんに叩きつけてきた、ある・なしクイズがあります。
しかし、昭弘くんはこういうのには強かったので、徹くんの予想に反し、あっという間にこれを解いてしまいました。

ある、のほうの頭にそれぞれある文字をつけていくと意味を成すのです。

「君」の頭に「つ」をつけて「月見」
「月」の頭に「づ」をつけて「頭突き」*本当は「ずつき」ですがここは大目に!
「貝」の頭に「き」をつけて「機会」
「的」の頭に「と」をつけて「トマト」
「握り」の頭に「お」をつけて「おにぎり」
「パン」の頭に「る」をつけて「ルパン」

つまりこれは「ある」のほうにある文字をつけていくと、「つづきとおる」という名前になるよ、というただそれだけのものだったのです。

クイズ自体は昭弘くんによってあっさり破られてしまいましたが、こういう問題を年賀状に書いてくれる徹くんはなかなか面白いやつです。


とまあ、こういう面白い年賀状が昭弘くんのところにたくさんやってきたわけですね。さて、そしてら、こんな個性的な年賀状にまじってとある一枚の年賀状が昭弘くんの目に留まりました。

「鈴木くんへ
明けましておめでとう!今年も楽しい年になるといいですね!陸上頑張って!」

文面はこれだけで、あとは下にかわいらしい龍の絵がカラーペンで描かれています。
「誰だこれ?」
昭弘くんが差出人のところを見ると、牧田彩夏と書いてありました。

「え?何で牧田さんから?」


その2へつづく・・・