ライター:Bro.トシマサ
てんびん座でAB型の人は優柔不断だ、なんてきいたことはないけれど、僕が優柔不断なのはそのせいだとおもう。
そんなわけで、あいまいな僕の、あいまいな考えを、あいまいにつづっていきたい。
第44回 エレガント

昼過ぎ頃、いつものようにぶらぶらと歩いていたら
急に僕の頭に、漫画「金田一少年の事件簿」のイメージが
浮かび上がってきたので、まったく脈絡はないけれども
この作品について書くしかないだろうと思ったわけだ。
深い理由なんてまったくない。

と言っても、僕は小学生のころ、
その頃の友達のようなジャンプやコロコロへの熱意を
持ち合わせていないような坊やだったので
漫画について語るようなものなんてない。
だけど、僕が所有していた数少ない漫画の一つである
「金田一少年」が急に頭に浮かんだわけなので
何とか書いてみようとするだけだ。
僕の脳が何かを教えようとしてくれているのかもしれない。

といっても、思い出そうとしても
あまりにもおぼろげで、記憶の断片しか出てこない。
雪があって、コテージがあって、湖があって、マリオネットがいて
・・・
そうだ、少しばかりのセクシーシーンがあったはずだ。
まぁ、セクシーシーンっていってもパンツが見えたり
どうのこうのの話だったはずだったけれども
よく考えたらその時、僕は7,8歳だったわけで
それが僕にとっての
セクシー・ファースト・インパクトだったのかもしれない。

いや、「だったのかもしれない」とか、
表現が難しいから「セクシー・ファースト・インパクト」とか
訳わからないことを言っているけれども
そんなことを伝えたいがために
僕の脳は「金田一少年」を呼び起こしたわけじゃないはずだ。絶対に。
そんなことで、いちいち「金田一少年」を呼び起こしてもらっては
これ以降日常生活に支障が出る。
という訳で、もっと美しいことを僕に伝えるために
僕の脳は急に「金田一少年」を呼び起こしたはずだ、
と思いつつ記憶を探る。

そうだ、ある一つのシーンがあった。
これまた記憶はおぼろげで、ふんわりとしか覚えていないけれども
湖の畔で、美雪が金田一にこう尋ねる。
「私たち二人が事故で水上に投げ出されて、
水面には、かろうじて1人なら掴まられるような
板切れが浮いているとするよね。ハジメちゃんなら、どうする?」

で、たしか金田一はこう答えたんだ。
「考えるだろうなぁ、二人とも助かる方法をさ。」
もちろん、坊やだった僕はかっこいいと思ったし、
それにもまして、二者択一の問いを
二者択一ではない方法で切り返したエレガントさにもほれた。
といっても、本当に坊やの僕がそんなこと考えていたかと
言われれば、記憶はいつだって捏造だから、それはわからないけど。
とりあえず、僕は今でもこの金田一の切り返しを
少しはなんかずるいなと思いながらも、
エレガントだなと思っている。

うん、そうだ。
問い自体を問い返せってことだ。
「なぜ地球は北半球に陸地が多いのか」ってやつと一緒だ。
たぶん、そんなことを思い出させるために
わざわざ僕の脳は「金田一少年」を急に呼び起したんだろう。
うん、そういうことにしておこう。
そういうことにしておくっていうのはこれまた大事なことだ。
とりあえず、こんなエピソードが本当に
「金田一少年の事件簿」にあったかのかどうか、
正月に実家に帰った時に確かめたいと思うけれど
それもまた忘れちゃうんだろうね。