ライター:Bro.トシマサ
てんびん座でAB型の人は優柔不断だ、なんてきいたことはないけれど、僕が優柔不断なのはそのせいだとおもう。
そんなわけで、あいまいな僕の、あいまいな考えを、あいまいにつづっていきたい。

第14回 オリジナリティ 


深夜3時頃にテレビをつけた。
NHKだった。
思いがけず、そこには、椎名林檎がいた。

先日、「僕らの音楽」で
椎名林檎とイチローの対談を見逃した僕は、
地団駄を踏んで、再放送を待ちわびた。

そして、願いは叶った。
でも、対談相手はイチローじゃなくて茂木健一郎だった。
いつも通り、茂木健一郎は脳について熱く語っていた。
椎名林檎は、ものすごく謙虚な言葉で質問に答えていた。
茂木健一郎は、なんだかいつもより照れているみたいだった。

テレビ欄を見てみれば、椎名林檎お宝ショーと題した番組らしい。
椎名林檎が歌って、よく知らない男性アナウンサーが出てきて、
また、椎名林檎が歌って、茂木健一郎が出てきて、
また、椎名林檎が歌って、椎名純平が出てくる。
そんな番組だった。とてもシュールだった。

椎名林檎がじっくりと話すのを見るのは初めてだった。
「歌舞伎町の女王」とかの曲から
一般的にイメージされる姿とは、全く違っていた。
やっぱりアーティストっていうのは、
自分のセルフイメージとか、自分の世界からかけ離れたものでも
そのディテールをイメージして、ものをつくれるんだろうなと思っていると、
茂木健一郎が同じような事を言っていて、ちょっと恥ずかしくなった。

その日、「実録・外道の条件」を読んでいた僕は、
町田康もたぶん、普段の生活は穏やかなんだろうなとふいに思った。
オリジナリティあふれる発想を持っている人は、
オリジナリティあふれる生活を営んでいる、なんて限らないと思う。
まあ、オリジナリティあふれる生活なんて、よくわかんないけど。

でも、僕は作品を見てその作者がどんな人なのか想像してしまう。
やっぱり、自伝的要素が入っているのかなとか、いらない想像を。
だから、テレビの最後にはいつもこう入っているのだろうと思う。
「この話は、フィクションです。」

茂木健一郎は、椎名林檎のことを褒めるときに、目を合わさなかった。
ずっと、住吉美紀の方を見ながら、椎名林檎のことを褒めていた。
やっぱり、いつもより照れてるなと思った。
そろそろ受信料を払おうかなと、僕は茂木健一郎を見つめながら思った。