ライター:としゆき
生まれは高松で育ちは名古屋、という東京には何ら関係ない人生を歩んできたが、最近上京したのでなんとなく「いまどきの東京」でも紹介することにする。
東京にはあまり詳しくないです。
当コラムはいまどきの京都(Travel@nifty)をはげしくリスペクトしています
第47回 風邪

一週間くらい前のことだが、風邪をひいて寝込んでいた。
といってもそれほど酷い風邪というわけでもなく、熱は最も高いときで38.1℃だったので軽くもなく重すぎもなくという感じだ。
けどまあこれだけ熱があると寝るより他のことは何にも出来ないわけで、12時間くらいずっと寝続けたりして回復を待っていた。

それにしても、一人暮らしでの病気というのは辛い。看病してくれる人がいないのが辛い。
実家にいたら、風邪で寝込んだ時には親がアクエリアスを買ってきてくれたりだとか消化に良さげな食事を作ってくれたりしそうなものだが、
一人暮らしだと冷蔵庫の麦茶以外に飲み物もなければ、メシもない。
幸い僕のアパートにはエントランスに自動販売機があるので、今回はDAKARAを計2リットルほど購入して水分補給にあてた。
だがコンビニまで行かねばならなかったら買いに行くだけで相当な気力を消費しただろうし、そもそも外に出る気になれなかっただろう。
僕の場合は水分は大丈夫だったが食べるものがないことには変わりがなく、自炊なんて面倒くさいことは熱があるととてもやる気にはなれないし、
かといって宅配を頼む気にもなれない。宅配は高いし風邪の時にピザなんて食ってられない。なのでお腹が空いても寝ているしかない。
このような孤立した状況下で病気と闘わねばならないのだから戦況はかなり劣勢、のっけからかなり追い込まれているといえる。

頭や体の重さもさることながら、誰も看病してくれないという寂しさがつらかった。
メシもろくに食わずに、ただただDAKARAで水分とカロリーを摂りつつひたすらに寝ていたら熱はだんだん引いてきて、少しぶり返したりしたときもあったが翌々日には熱は完全に引いた。
(そしたら今度はセキなどの症状が出てきたが、今ではこれも落ち着いた)
僕の風邪はただ一人で完結する、スタンドアローンなものだった。

けど、僕のような交友関係がミニマムな人間は病気するとだいたいこんな感じなのだとは思うのだが、もっと友達がたくさんいらっしゃる人の風邪は、
やはり全然違っていたりするのだろうか。
友達が差し入れにアクエリ持ってきてくれたりだとか、ご飯つくってくれたりだとか。
もちろんこの友達とは女友達でなくてはならない。風邪のときに男が来てもしんどいだけで全然うれしくないし、ましてや男の作るメシなど食いたくも何ともない。
男に熱さまシートを貼ってもらうほどにおぞましいものなど、この世に存在しない気がする。
いや、熱さまシートは女の子でもちょっといやかな…。それくらいは自分で貼るなあ…。
だがアクエリやご飯は文句なしにうらやましい。そんな温かな風邪ライフを享受できるような輩は僕のもっとも憎悪するところであり、こじらせて脳炎にでもなればいいと思う。

でも、風邪引いたときにそんなイイ目にあえる人なんて実際のところほとんどいないんだろうな。そんな経験がある人なんて、統計とって調べたら5%もいないんじゃなかろうか。
すると、そんな無視できるほどしかいない、ほぼ居ないと言っていいかもしれない観念的な存在に憎悪をムキ出しにしている僕は、まさしく「見えない敵と戦っている」状態といえるんだろうか。
引きこもりの敵はいつだって目には見えない。