ライター:としゆき
生まれは高松で育ちは名古屋、という東京には何ら関係ない人生を歩んできたが、最近上京したのでなんとなく「いまどきの東京」でも紹介することにする。
東京にはあまり詳しくないです。
当コラムはいまどきの京都(Travel@nifty)をはげしくリスペクトしています
第46回 スタバの隣の席の会話

珍しく、大学近辺のスターバックスに行った。普段はうちの大学の学生街的なものには意識的に近寄らないのだが、今日は本を買いに久方ぶりにそのエリアに踏み込んでいて。次の授業までには時間が余っていたので、ちょっとコーヒーでも飲んでいこうと思ったのだ。

そのスタバで僕は、今日買ったものとは別の本、谷崎の「春琴抄」を読みながら(無学な僕でも、たまには文学に触れたくなるのだ)無脂肪乳のラテをズズズとすすっていた。
で、そこで耳に入ってきた隣の席の男女二人の会話がちょっと気になる内容だったので、ここで紹介してしまおうと思う。プライバシーへの配慮はするが、内容はそっくりそのまま全世界に向けてご開帳である。ここでいう全世界とはこのサイトのユニークアクセスのことであるが。

ええと、僕の隣の席で話していたこの男女は、明らかに僕と大学が同じ。カップルというわけではないようで、どうやら同じサークルの先輩後輩という関係のようだ。会話の内容から、男が3年で女の子が2年だと思われる。
で、今はもう11月の半ばだから、男の方はいよいよ就職活動が本格的に始まってきたというところらしい。この男、聞いている限りではサークルでは「頼りになる先輩」といえるような位置につけているらしく、2年生の女の子は来年に控えた就活が一体どんなものか、男に質問をしているようなのだった。

この連中のサークルとはいわゆる広告研究会やらマスコミ研究会のたぐいのサークルらしく、したがって彼らの志望する業界もその類のものであるようだ。
2年生の女の子のマイちゃん(仮名)に就活について話す中で男は、これまた同じサークルの女の子の名前を出した。その人物は男と同じ3年生で、名前は仮に早苗としておく。

早苗はTBSのアナウンサーには決まるだろうね。早苗は▲▲研究会での企画も自分で立てて学祭でみんなをひっぱってたし、スキーサークルでも頑張ってて全国大会で入賞してる。留学もしてるし、××××(テレビ番組名)やってるアナウンサーが早苗の高校の先輩で、電話でアポ取って話し聞いたんだって。色々と自分磨きに積極的なのはもちろん、自分をしっかり持ってるんだよね。

引きこもりの僕としては、なんだそのパーフェクト超人は!という感じだ。早苗さんに比べれば僕などゴキブリだ。
男は加えて、

それに早苗は、かわいい。そういう子は内面の良さとか自分が学んできたこととかが、顔に表れるんだよね。

可愛いんですか。それは良かった。

面接でウソつく奴とかいるけどさ、面接官は何千何万と学生を見てきてるんだから、学生のつくウソなんて全部お見通しなわけ。オレ以上に研ぎ澄まされた眼を持ってるね。そんな面接官が早苗を見たら、もう話しは聞かずとも顔を見ただけで「あ、これは採用」って思うね。その人の内面から出るオーラで、もうわかっちゃうんだよ。
そういうもんなんだよね。


さりげなくご自身が優れた観察眼をお持ちであるともおっしゃっていますが、何ですかこれは、面接官はエスパーか何かか。
仮にそうだとしたら、僕などは面接室に入った瞬間

「お前は帰れ!!!!!!!」

と面接官にメンチ切られてしまいそうだ。
…で、隣の会話の内容はこのあと

マイちゃんは早苗とは正反対で、流されやすい一面もあるんだけど、流されながらにして目標を達成しちゃうんだよね。何となくこんな企画やりたいな~で実際やっちゃったり、何となく資格とっちゃおうかな~で実際取っちゃったりね。それってすごいことだと思う。マイちゃんも来年、やり方は違っても結果を見れば、早苗みたいになってるんじゃないかな…って、オレは思うんだよね。

なるほど。確かな観察眼をお持ちな方ゆえ、説得力に満ちています。
そしてマイちゃんが

私、日テレに入りたいんですよ~。最近日テレがすごく好きで!

と言い出したところで、この会話の内容にも盗み聞きしている自分自身にも嫌気がさしてきたので、ポーズとして開いていた本を閉じ僕はスタバを後にしました。
まあ、皆さんTBSでも日テレでも入ればいいんじゃないでしょうか。
僕は今後とも「就職できない学生」の典型例をひた走ると思われるので、皆さま別世界の住人に申し上げることなど何一つございません。
この道を誰にも追いつけないスピードで、一直線に走っていく所存でありますゆえ!



…そんな道歩んでたら駄目だよなあ。「就職だけはしてくれ」と親に言われてるし…。