ライター:としゆき
生まれは高松で育ちは名古屋、という東京には何ら関係ない人生を歩んできたが、最近上京したのでなんとなく「いまどきの東京」でも紹介することにする。
東京にはあまり詳しくないです。
当コラムはいまどきの京都(Travel@nifty)をはげしくリスペクトしています
第28回 いまどきのTOKYO三軒茶屋

お米ニュースの方にも書いたのだけれど、三軒茶屋のシアタートラムに観劇に行ってきた。
そのついでに三茶を初めてまともに見て回ってみたので、今回は三茶について書いてみようと思う。気づけばここ四回分も東京には関係のないことを書いていたので、初心に返って「いまどきのTOKYO」を紹介していこうというわけである。


田園都市線を降りて三軒茶屋に出てきたのだが、個人的には三茶といえばこの、国道246から見た横断歩道と薬局っていうイメージがある。駅から地上に出て最初に見えるところだからってだけなんだけど。
写真の左手に見える建物はキャロットタワーというのだが、この中にはTSUTAYAや世田谷パブリックシアターがあったりする。この日ぼくが観劇に行ったシアタートラムもこのキャロットタワーにある。実は三茶に来るのはかなり久しぶりのことで、昨年冬にTSUTAYABOOKSに柄にもなくデザイン系の本を買いに行って以来のことである。それ以前にも、三茶に来て行くところと言えばTSUTAYAのみであった。

そういうわけで今回、いい加減に他にも足を伸ばしてみることにしたわけだ。とりあえず先程の横断歩道の右手から茶沢通りに入っていく。
この通り、下北沢と三軒茶屋を結ぶ通りだから茶沢通りというのだろう。駅周辺にはフィットネスクラブやらカラオケがあるが、通りを進んでいくと今風の商業施設は無くなっていく。渋谷とか池袋みたいな繁華街とは雰囲気が全く違う。渋谷に西友があったらひどく浮くと思うが、三茶の西友はとてもマッチしている。古びた感じの店が多数を占めていて、その辺は下北沢と共通していると思う。そういえば、世田谷ってどこもそんな感じがするなあ。


茶沢通りを歩いていて、区かなにかの施設の隣に、少々気にかかる空間が出現した。
三茶ふれあい広場。
ぼくは、大学に行っても誰ともまったく会話をせずに帰宅するという毎日を送っている。それが何だ、一人ぼっちでも寂しさなんか感じないさ!と強がってはいても心のどこかで、ぼくは人間とのふれあいを強く求めているのかもしれない。普通なら素通りしてしまうようなこの「三茶ふれあい広場」にぼくがフラフラと入っていったのは、そんな潜在意識の表れとも考えられる。


これが三茶ふれあい広場です。公園だけど遊具とか一切なし。何もない殺風景な空間を用意して「あとはご自由にふれあってください!」っていうスタンスはどうなんだ。薄暗くて湿っぽくて居心地が悪い。「ふれあい広場」という名を冠するスペースでありながら、さっさとこんなところからは出て行きたい!と思わせる。
だが、ふれあい広場を出る際にこんなものに気づいた。


なぜかお礼を言われてしまった。なんだかなァ…。
ふれあい広場のせいで微妙な気分にさせられたが、古本屋などを冷やかしながら茶沢通りを進んでいくと、ものすごく奇妙な形状の建物が目にとびこんできた。


唐突にキング・コング。設計者にどんな思惑があったのかは計り知れないが、この外観には理解に苦しむばかりだ。
このビルにファミリーマートとキックボクシングジム、というテナントの構成もなかなか趣があるが、コングの手のひらに座るこの


少女の存在も気にかかる。キング・コングといえば初代でもピーター・ジャクソンのリメイク版でも「いかにもアメリカのセックス・シンボル」的な金髪美女と恋に落ちていたけど。この三茶キング・コングの場合は赤いランドセルを背負った小学生の女児である。ロリコンのキング・コング。
なお、このキング・コングを大々的にフィーチャーしたビルは「ゴリラビル」というそうです。まあ、そのまんまなんだけど…。設計したヤツの気持ちが本当にわからない。

ちなみにこのゴリラビルは割と三茶の駅から離れたところにあり、これ以上茶沢通りを歩いていても下北沢に近づいていくだけで、ゴリラビル以上に目新しい物もなさそうだったので駅に引き返すことに。


キャロットタワーの国道246や首都高を挟んで反対側には、これまたレトロで庶民的な町並みが広がる。エコー仲見世もその一つだ。


こんな名画座なんかあっちゃったりして。


スナックが袋小路になっていたり。


昔懐かしい駄菓子屋もあった。誰しも小学生のころ、遠足が近づくたびに「お菓子は200円まで」という制約を最大限に活用するために駄菓子屋に行ったことがきっとあると思う。もちろんぼくもそうだった。あの頃はたった200円のお菓子で幸せになれたんだなァ。


そんな郷愁の念に駆られて、買ってしまいました。しかもちょうど200円分。店内には小学生の3人組が同じようにお菓子を物色していて、それに混じって20歳のぼくは一人、200円でもっとも自分好みのラインナップを揃える為に店内を熟考して回っていた。実に15分~20分は悩んでいたような気がする。その甲斐あって

蒲焼きさん太郎
きびだんご
ビッグカツ
ミルクボーロ
チョコまん×2
やきそば屋さん太郎
王様のわすれもの(チョコクッキー)
うまい棒豚キムチ味
日本一ながーいチョコ
ポン菓子

このように、文句なしに完璧なラインナップが完成した。この辛味と甘味のバランスはどうだ。甘さ・辛さの種類も豊富である。それにこの食感のバリエーションはどうだ。柔らかなマシュマロ、口の中で溶けるミルクボーロ、歯ごたえのあるビッグカツ。200円という限られた予算の中でこれほど魅力的な構成を作れるとは、ぼくも無駄に年を取ったわけではないようだ。
…実際に脳みそをフル回転させて吟味したわけだが、たぶん現役の小学生だったときもこんな買い方をしていたような気がする。結構悩んだのに結局コレか。毎度のことながら、ここでも自分の成長を感じることはできなかった。
まァ、観劇を終えて家に帰って食べてみると「自分はまだ、200円のお菓子でも十分に幸せになれる」ということがわかったので良しとします。そんな幸せの形もあっていいよね!!
…けどオレ、こんなんでいいんだろうか。大学生なんだから、飲み屋で色んな酒の味とかうまい料理の味とかをこそ知っておくべきじゃないのか。駄菓子のおいしさを再発見するより他にやるべきことがあるんじゃないのか。あああ。
そこはかとない不安に襲われたところで、今回は終わりにします。