ライター:としゆき
生まれは高松で育ちは名古屋、という東京には何ら関係ない人生を歩んできたが、最近上京したのでなんとなく「いまどきの東京」でも紹介することにする。
東京にはあまり詳しくないです。
当コラムはいまどきの京都(Travel@nifty)をはげしくリスペクトしています

第12回 いまどきのTOKYO東郷神社


というわけで先週の続き、竹下通りを脇にそれていったら行き当たった、東郷平八郎を祭る東郷神社である。



ピンとこない方もいらっしゃると思うので説明がてら、ここでぼくの歴史的知識を披露させていただこう。東郷平八郎は明治・大正期の大日本帝国海軍軍人である。元帥海軍大将従一位大勲位功一級侯爵。明治期の日本海軍の司令官として、日清・日露戦争の勝利に大きく貢献し、日本の国際的地位を引き上げた。日露戦争における日本海海戦でロシア海軍を破り世界の注目を集め「東洋のネルソン」と賞賛された。日本海海戦での敵前回頭戦法(丁字戦法)により日本を勝利に導いた世界的な名提督と評価され、日露戦争の英雄として乃木希典と並び称された。 日露戦争の際に連合艦隊を率いて行った急速旋回「東郷ターン」を行った。Wikipediaは本当に便利だ。

正直にいうと、日露戦争の大一番っぽい日本海海戦でバルチック艦隊を撃破したすごい指揮官、としか知りませんでした。東郷神社に訪れたのもたまたまなので他に何の予備知識もなかったが、祈れる神様には祈っておいたほうがのちのちいいことがあるかもしれないというセコい考えのもと、ガッツリ参拝してきました。



拝殿に向かう途中で見かけた、海軍特年兵之碑。太平洋戦争末期に戦場に送り出されその若い命を散らした、14~16歳の少年兵士たちを弔う碑とのこと。ぼくは太平洋戦争について語ることが許されるほどの知識や言葉を持っていないし、このホームページもそれに適した場所ではない。トップページに「ノルウェイの森の性描写だけでゴハン○杯いけるよ!」なんてカウンタがあるようなホームページで扱えるテーマじゃあない、戦争というものは。



しかし、この碑が建った経緯や海軍特年兵についての説明が碑の裏に書かれていると注意書きにあったので裏に回ってみると、そこにそっと花束が置かれているのに気がついて、なんとも言えない気分になってしまった。太平洋戦争はまだ、歴史として片づけていいほど昔のことではないんじゃないのだろうか、と。この花束はどんな人がどのような気持ちで置いたものなのか、それは知る由もないのだが。これを見たとき、太平洋戦争と自分との距離感を測りなおさねばならないような気がした。

いつになく真面目になってしまってしまった。うんこ!



さて、こちらが拝殿です。写真を撮り忘れたのだが、拝殿のまわりをぐるりと囲む門の壁に、東郷平八郎の人生を振り返る絵と文章が十数枚ほどにわたって掛けてあった。かなり力強いタッチの劇画であった。生まれてから少年時代、学生時代を経て軍人としての活躍、そして死の際までの彼の人生が、絵物語として描かれていた。日本海海戦のみならず、どの場面にも「絵になる」カッコよさがあるのがすごい。まさに突出した人物の、激動の人生である。

それにひきかえこのぼくの人生など、絵物語として描こうとしても2枚で済んでしまいそうなしょぼさである。生まれる→死ぬ みたいな。部屋に籠もるのが趣味の大学生活、絵になる要素がひとつもない。

一通り参拝を済まし、人にはちょっと言えない願掛けをしたところで社務所に向かう。普通のお守りやお札も売られていたが、ひときわ見る者の目を奪うのがこちらです。



東郷神社謹製・ハローキティお守り。やたらに種類が豊富である。ご丁寧にもZ期 を持たせたものもある。キティのみならずマイメロディお守りまであるではないか!

しかしどうして、ハローキティなんだ。日露戦争の英雄・東郷平八郎とサンリオ・ハローキティ。両者の間にはなんの関連性も見いだせない。なぜ東郷神社でこんなお守りを売るのだろう。別に東郷神社でなくとも、神社のお守りがハローキティって相当おかしいんじゃないか。なんの御利益もなさそうである。神性とかありがたみより、手に取れる「かわいさ」が求められる時代なんでしょうかねえ。

Wikipediaによると (本当に便利だ)東郷平八郎は、死後に彼を祭る神社を建てる計画があると聞かされると激怒し、やめてほしいと強く懇願したらしい。神社建立ばかりか「はろうきてぃ」のお守りが売られています、と生前の彼に教えてさしあげたい。「はろうきてぃ」とはメス猫が主役の漫画です、とも。

社務所で商業主義の汚染を垣間見たあと、境内の散策にもどる。



これは東郷記念館という結婚式場である。ちょうど東郷神社拝殿の隣に位置し、直結する通路も持っている。

ぼくはこの東郷記念館が結婚式場だと知らず、その名の通り東郷平八郎博物館的な施設だと思っていた。結婚式場だとわかったのは、境内散策中に尿意をもよおしたのでトイレをもとめて入ってみたら、受付の男性に「結婚式場なので招待状をお見せください」と言われてしまったときである。

生まれてこのかた結婚式場に入ったことがなかったのが、初入場がおしっこだとは、いかにも自分らしいというべきだろうか。ちなみにトイレを借りることはできなかった。

だいたい境内を回り終わり、ちょうどトイレに行きたくなってきたことだし、そろそろ神社を後にすることに。



鳥居をくぐると、一匹の野良猫と出くわしました。遠くの方からちょっとの間、ぼくの方を見ていた。ぼくは猫好きなのでちょっと嬉しい気分に。これが東郷神社参拝の御利益だったのかもしれないな。そういや猫といえば、ハローキティのお守りとか売ってたなァ…。