ライター:なかいち
世の中には2種類の人間がいる。それは、すぐ人を2種類に分けたがる人と、それを聞いて「人は2種類なんかに分けられるわけない」という人だ。こんな風に、勝手気ままにいろいろな角度から、人々を分類してしまおう というはなし。 ちなみに僕は、後者の立場です。
第38回 お金のはなし

世の中には2種類の人間がいる。それは、だます人とだまされる人だ。


サギというのは、まあ、いろいろな種類があるとは思うけれど、例えば、一般的?なものとして、「楽して金がもうかる」だとか、「金もうけができる」的なウマイ話をして、しかしながら、そのためには、入会金だとか、手数料だとか、要は初期投資が必要だと言って、その入会金だとか手数料として払った金をだまし取るなどという手口が思いあたる。

もちろん、その他にも、身に覚えのない請求書を送りつけられて、お金を振り込ませるサギなども考えられるが、今回は、上のサギについてを見てみることにする。


といいつつ、いきなり話は変わって、
貯金箱のはなしを始めてみる。

僕は、昔から、貯金箱を集める趣味を持っている。
集めているというよりは、結果的に集まってしまうといったほうが正確なのだけれど。
実際に、貯金箱をコレクションするような人というのは、例えば、キャラクターの貯金箱であったり、有名企業のマスコットやマークなどが入った希少価値の高いものを、コレクションするのであろうと思われるが、僕の場合は、そのようなものには興味がなかったので、集めた貯金箱というのは、単にそこら辺の店で手に入る普通の貯金箱なのだった。


貯金箱というのは、要は、お金を貯めるための道具として見なされると思う。
すなわち、財布に入れておくとうっかり使ってしまう危険性があるが、貯金箱を使うことで、貯金箱に入れたお金は無駄に使えないようになっているので、効果的にお金を貯めることができるというわけである。

こう考えると、効果的にお金を貯めることができるということで、貯金箱を使うというのは、なんだかとてもウマイ話のように聞こえる。

そのため、僕は昔から、貯金箱でお金を貯めようと試みてきた。
そこで必要となるのが、もちろん貯金箱。
貯金箱ならば、銀行などでもらうような、タダの貯金箱を使えばいいのだが、いざ、貯金箱にお金を貯めるとなると、すでに持っている貯金箱を使うよりも、自分でわざわざお金を出して買った貯金箱を使う方が、なんだかお金が貯まりそうな気がするので、どうしても新しい貯金箱を買ってしまう。

こうして、初めのうちは、せっかく新しい貯金箱を買ったということもあり、こつこつと貯金箱にお金を貯めることになるが、しかしながら、(予想されるように)一ヶ月もすると、結局のところ、貯金箱を開けて(もしくは壊して)、いまだ貯まってもいない微々たるお金を、使ってしまうという結果に陥る。

こうして、当初の、効果的にお金を貯めるという試みは みごとに失敗に終わってしまうのだった。

ところが、しばらくすると、お金を貯めることを失敗したのも忘れて(というか、次こそは成功するという根拠のない自信を持って)、また貯金箱にお金を貯めようと試みることになる。その時には、わざわざ新たに貯金箱を買わなくても昔使っていたものがあるのだから、それを使えばいいのだけれど、やはり、一度 貯金に挫折した貯金箱を使うのは、また失敗してしまうのではないかと思ってしまうので、どうしても、新しい貯金箱を買ってしまうことになる。
もちろん、成功するという自信には根拠がなかったので、やはり同じように失敗してしまうのであるが。

このようにして、懲りずに、何度も何度も、貯金箱にお金を貯めるということに失敗していった結果、不要になった貯金箱が、貯金箱コレクションとして、貯まっていくことになっていったのだった。


このように、僕の場合は、
お金を効果的に貯めるというウマイ話に乗せられて、そのために、初期投資すなわち、貯金箱を買うのであるが、結局、失敗して、お金が貯まらない。
ということを繰り返していることになる。

そう考えると、なんだか、僕は、貯金箱を作っている会社、もしくは、貯金箱を売っている店から、お金をだまし取られている気分になってくる。

とはいっても、単に意志が弱いだけなのだけれど。