ライター:なかいち
世の中には2種類の人間がいる。それは、すぐ人を2種類に分けたがる人と、それを聞いて「人は2種類なんかに分けられるわけない」という人だ。こんな風に、勝手気ままにいろいろな角度から、人々を分類してしまおう というはなし。 ちなみに僕は、後者の立場です。
第34回 お墓のはなし

世の中には2種類の人間がいる。それは、新しいものが好きな人と、古いものが好きな人だ。


やはり、古びたものよりも新しいものの方がいい場合が多いとは思う。
例えば、墓石にしても、小さい頃 お寺とかにお墓参りとかに行ったとき、風雨にさらされて古びた墓石よりも、新しくて表面がなめらかな墓石の方が何だか見栄えもいいなあと、漠然に思っていた。

墓石というのは、豪華にしようとすれば、いろいろ凝ったユニークな墓にできるのだろうし、そのような墓というのはたまにテレビなどでも紹介されたりするが、そのような墓ではなく、やはり一番オーソドックスなお墓というのは、○○家之墓 といったような文字が墓石の前面に刻まれたものなのだろう。

ところで、
自転車に乗ってあてもなく徘徊することを趣味としている僕は、最近、郊外の新興住宅街と呼ばれそうな場所の一角に、これまた新しい墓石ばかりの、きっちり区画されたこぢんまりした墓地があるのを発見した。
発見した、おおごとのように書くほどのことではないが(実際、単に前を通っただけなのだ)、その墓地が思ったよりも住宅街とマッチしているのには多少の驚きがあった。

そこの墓地の前を通って、ふと目に留まったのは、
先祖代々之墓 と墓石の前面に彫られた何の変哲もないお墓だった。
多くの ○○家之墓 と書かれたお墓に混じって、どこにでもありそうな、先祖代々之墓 と書かれたお墓に目が留まったのは、その墓石に違和感をもったからだった。

上にも書いた通り、その墓地は、新しい墓石ばかりの墓地だったので、例に違わず、先祖代々之墓 と彫られたその墓石も新しかった。

墓石の前面に 先祖代々之墓 とだけ書かれた新しいお墓。やはり違和感がある。
先祖代々 というのはイメージ的に、とても歴史があって何世代にも続いている感じがするのだけれど、
先祖代々之墓と彫っている墓石が新しいものであると、とたんにその 先祖代々 という言葉に、説得力がなくなって、ミスマッチなように思えてきたのだった。


古びたものよりも新しいものの方がいい場合が多いとは思う。
でも、古びたものの方がいい場合もある。
とはいっても、この場合は、お墓をつくるときに、先祖代々之墓 ではなくて、○○家之墓 と彫られたお墓をつくれば問題ないか。