ライター:なかいち
世の中には2種類の人間がいる。それは、すぐ人を2種類に分けたがる人と、それを聞いて「人は2種類なんかに分けられるわけない」という人だ。こんな風に、勝手気ままにいろいろな角度から、人々を分類してしまおう というはなし。 ちなみに僕は、後者の立場です。
第29回 再びえんぴつのはなし

鉛 筆 の ほ か 一 切 は 雪 の 下              小檜山繁子


ちょっといつもと違って文学的に始めてみようかな、と思ったのだけれど、あいにく、というか当然のことながら、僕は全く俳句などというものをたしなむわけでもなく、この句がいったい何を意味しているかということなどを読み取ることがでるわけもなく、これからこの句について論じるわけでもなく(というか、何を意味しているかを読み取れていないのに、論じることができるわけがない)、
ただなんとなく、句の中に‘鉛筆’が出てくる、というそれだけの理由で書いてみただけです。
ただなんとなく書いてみただけなので、もちろん、今回のコラムの文章に何か関連があるわけでは、全くない。

ということで、今回は、えんぴつのはなし。


愛知方面では『えんぴつの先がとがっていること』を、『トキトキ』と表現する。(ちなみに、金沢では『ケンケン』、富山では『ツクツク』などと表現するそうです。)

もちろん、‘えんぴつの’を太字にしたのにはわけがあり、例えば、針の先がとがっていることはトキトキとは表現しない。
こう考えてみると、これらの言葉は、なんと守備範囲が狭いのだろうと思う。

えんぴつを使う機会がほとんど無くなった僕は、ここ最近『トキトキ』ということばを使った記憶がない。また、会話で誰かが『トキトキ』という表現を使っていたのを聞いた記憶もない。
このままでは、もしかしたら『トキトキ』や『ケンケン』や『ツクツク』という語が絶滅してしまうかもしれない。
まあ、日々変化している言語の中で、方言が一つぐらい無くなってもどうということはないのだけれど、『さきがとがっている』という9文字を『トキトキ』(もしくは『ケンケン』や『ツクツク』)という4文字で言い表せるのだ。これらの言葉を死語にしてしまうのはもったいない。

むしろ、効率化を進める現代においては、これらの言葉を全国に普及させるべきではないのか。

そのためには、えんぴつに限らず『先のとがった状態』のことを『トキトキ』(もしくは『ケンケン』や『ツクツク』)と表現するように拡大解釈して使うことにすれば、トキトキ、ケンケン、ツクツクなどの言葉を使う頻度が今よりも上がって、これらが全国に広まってゆくかもしれない。



でも、実際に、えんぴつに限らず単に『先のとがった状態』のことを『トキトキ』、『ケンケン』、『ツクツク』と表現する、というように拡大解釈して使うことになると、
富山では『ツクツクボウシ』といえば、『とんがり帽子』のことを指すようになってしまうかもしれない!?