ライター:なかいち
世の中には2種類の人間がいる。それは、すぐ人を2種類に分けたがる人と、それを聞いて「人は2種類なんかに分けられるわけない」という人だ。こんな風に、勝手気ままにいろいろな角度から、人々を分類してしまおう というはなし。 ちなみに僕は、後者の立場です。

第8回  慣用句のはなし


世の中には2種類の人間がいる。それは、口が軽い人と口が堅い人だ。


日本語にはいろいろな慣用句がある。とはいえ、慣用句らしきものがあるのは、何も日本語だけではない。英語にも、例えば、『絵そらごと』という意味で、‘pie in the sky’というものがあったりする。(ちなみに、僕はこのpieは、実はUFOなのではないかと疑っている。)

今回は、日本語の慣用句で、『口が軽い』と『口が堅い』辺りについてスポットを当てる。

ご存じの通り、『口が軽い人』とは、秘密にすべきことをすぐしゃべってしまう人のことをいい、『口が堅い人』とは、秘密をむやみにしゃべらない人のことを表している。つまり、口が軽いと口が堅いは対義語の関係にある。

こんな当たり前なことを何をいまさら…、と言うかもしれないが、普通に考えると、「軽い」の対義語が「重い」なのだから、『口が軽い』の対義語は『口が重い』でなければならないのではないか。しかし、『口が重い人』とは、口数が少ない無口な人のことを表している。さらには、僕は『口が重い』の対義語を知らないが、あえて考えると、よくしゃべる人のことを『口を叩く人』と言ったりする。

すなわち、まとめると
『口が軽い』←→『口が堅い』
『口を叩く』←→『口が重い』


同様のことが、『口が堅い』にも言えるだろう。
「堅い」の対義語は、「もろい」だから、『口が堅い』の対義語は『口がもろい』でなければならないのではないか。
ではそう考えると、『口がもろい』とは、どのようなことを言うのだろうか。
もちろん辞書に出てこないので、勝手に自分のイメージで考えると、『口がもろい人』というのは、口げんかなどで、すぐ言い負かされてしょげてしまう人のことを言っているかんじだ。では、その逆で、口げんかで言い負かす人のことは、何と言うべきなのだろうか。
これこそ僕のイメージでは、『口を叩く人』というかんじだ。


すなわち、僕はこう主張する。

それでは、最後に結論をひとつ。

世の中には1種類の人間がいる。それは、口が柔らかい人だ。
(触ってみると分かるが、どんな人も口は柔らかいものなのだ。)